1.コストがかかる、投資回収はできる

カード・ロイヤルティ・マーケティング・プログラムの導入には目に見えるコスト、そして隠れたコストが沢山ある。コストを惜しんで中途半端にやるならやめた方がよい。

(目に見えるコスト)

A. 新しいハードウェアとソフトウェアの費用
顧客の氏名とデータを読み込むスキャン装置が必要な場合、相当な費用がかかる。メーカーに相談も必要だが、素人であることが多いので、弊社に相談して欲しい。

B. FSPアプリケーション費用
FSP実施する戦略を明確にしておく必要がある。漠然と始めてしまっているケースが多いが、これではコストの回収ができない。FSPは会社の根本的な戦略マーケティングであることを認識する必要がある。その上でどのようなシステムが必要かを検討する。マーケティングなので日々状況が変化する。柔軟に変更できるシステムを導入すべきだ。アウトソーシングをおすすめする。

C. トレーニング費用
スーパーマーケットの従業員全員が、新しいプログラムとその運用を認識しなくてはならない。カードプログラムの成功によって全従業員が恩恵を受けるような広範囲にわたるトレーニングプログラムが必要である。継続的な教育が必要。1回の導入教育でお茶を濁してはうまく行かない。また、専門家による熟知した人間に教育してもらう必要がある。

(目に見えないコスト)

D.オポチュニティー(好機)費用
FSP徹底のために上位顧客にダイレクトメールを出したり、ニューズレターを発行したり、トップ顧客にゴールドカードを発行したり、個人別に特別割引を提供したり、上位顧客とのミーティングを開催したり従来の販促費とは異なる費用が発生する。それらの販促費用を見積もっておく必要がある。あるいは顧客データの分析から見えてきたマーチャンダイジングや棚割の変更なども生じる可能性がある。

E.コミットメント費用
カードプログラムを一旦開始したら、後戻りすることは難しい。顧客にポイントを提供しているなら、ポイントの撤回は非常な困難を伴う。ロイヤルティ・プログラムはコミットメントであり、いったん始めたらやめることができない。開始するかどうか2〜3度は検討する必要があるだろう。

 
  前の項目: はじめに
次の項目: 2.常に新鮮さを保つプログラムが必要