カラーマーチャンダイジングガイド 
 
カラーマーチャンダイジングの方法2

 
  2.商品と色彩

商品の色彩がどんな色彩でもいいということはありません。その商品にむいた色彩があります。特に生活財の場合、「良色」「悪色」という言葉があるように、悪色を使用した商品は売れません。

良色 明色、淡色(赤・オレンジ・黄・白・クリーム・水色・ピンクなど)は良色です。
悪色 暗色、中間色(なす紺・ラベンダー・青竹色・濃い青緑・あい色)は悪色です。

また、その商品の色を引き立たせる色彩というのがあります。
図6は商品別の推薦色の例です。
売り場には、それなりの色彩がありますので、ひとりよがりの色彩を使わないことです。

<図6>商品を引立たせる色彩効果

商品
推薦色
効果
1.毛皮 柔らかで落ち着いた寒色系(青色、青緑色、青紫色)。 毛皮の暖かい色調と対比して、冬を暗示する。
2.衣服 暖かい明るい明色系(すみれ色、黄緑色、灰褐色のような混色)。 あかぬけて落ち着きのある色調、肌色に暖かく反映する。
3.衣料品 上記と同じ。しかしやや灰色がかった中間色系(ベイジュ、バラ色、暖かい緑色) 鮮明な衣料品を引き立たせる。
4.宝石・時計類 壁面は明るく灰色がかった色彩。ショー・ケースは黒、濃い青色、濃い茶色、濃い赤紫色、濃い青紫色。 深みのあるゆたかな色彩が宝石類の鮮やかさを引き立たせる。
5.化粧品 ピンク系、灰色系、白系。 明るい色彩が化粧品の包装と対比して調和する。
6.婦人靴 彩度と明度の高い色彩(緑色系、青色系、黄色系、ベイジュ)。 より濃い靴の色調を引立たせる。
7.紳士靴 一定の濃い暗色(緑色、青色、さび色)。 靴の黒、黄褐色と対比する。
8.子供靴 原色の変化(赤色、青色、黄色)。 鮮明で陽気な効果。
9.ラジオ、テレビ、ステレオ 青色、緑色、黄色、灰色がかった白。 この商品が明るい色なら濃い暗色。陽気なムードを減少させる濃いキャビネットには明るい明色。
10.台所道具 白、緑色、中間色の青色、赤色。 陽気な刺激によって食欲をそそる。
11.赤ちゃん用品 どんな色でもパステル調。 明色から中間色の範囲がよい。暗色は灰色がからせること。
12.ランジェリー パステル調。 ピンクと白以外の中間色。この商品のピンクと白は最も人気があるので地色にこれらの色を用いても目だたない。
13.家庭用品 人気のある装飾色ならよい。 部屋のただずまいをどのように見せるか。
14.婦人帽 ベイジュ、灰色系、ピンク系、すみれ系。 落ち着きのある暗色系。
15.紳士用品 灰緑色、灰青色、ロイヤルブルー、赤紫色、黄褐色、赤色。 強烈な男性色。
16.食料品 桃色、ピンク、緑色(黄色)、赤色の食料品には青緑色、緑色系。緑色の食料品にはピンク系。 食欲色。
17.ケーキ、菓子類 ケーキなどの背景には紫色、赤紫色全体として暖色系、赤色、ピンク色、橙色。 紫色、青色は背景色としてこの商品を非常に引立たせる。
18.包装商品 白。 パッケージを引立たせる。

(注)明色:淡色ともいう、ある色に白を混色して生ずる色彩。
   中間色:濁色ともいう、ある色に灰色を混色して生ずる色彩。
   暗色:ある色に黒を混色して生ずる色彩。

 

 
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