1995年10月8日〜11日 第78回DMA大会(ダラス)
<ゼネラルセッション> ・
ダイレクトリソース社(DRI)アンドリューコーエン 「DRTVからインターネットへ」のタイトルで講演(ランチ・セッション) ニューヨークSOHOにある小さな会社。DRTV広告を手がけ数々の賞を受けている。この頃、インターネット広告ビジネス、インターネットのコンサルティングを手がける。 ダイレクトマーケティングはいよいよデジタル時代に突入 *インターネット世界 ウェブサイトの数、1992年100、1996年20万以上。ページ数、1980年300ページ、1997年1000万ページ、2000年1億2000万ページになると予想。 *OPC+Iというコンセプト ダイレクトメールを読むかどうかは10秒で決めている。テレビのダイレクト販売は30秒かかる。インターネットはもっと早い。数秒の世界。 Oはオファー(特典)、Pはプロダクト(商品)、Cはコールアクション(電話促進)、Iはイメージ。ダイレクトメールであろうとダイレクトレスポンス広告であろうとインターネットであろうとこのコンセプトが重要 *15年前のTV広告 靴を手に持った営業マンらしい人が横を通った自動車のため全身泥水を浴びる。靴がシャワーに代わる。シャワーで泥水を流す。だがずぶぬれ。今度は靴がドライヤーに代わる。面白いがイメージがない。 ※(荒川コメント)アンドリューはDRTV広告からインターネット広告へ早くからビジネスを切替えた。当時としては数少ない会社で多くのクライアントを持っていた。翌年会社訪問し、翌々年ジェリコが日本の招聘している。 ・
ハーバード・ビジネス・スクール トーマス・ジョーンズの講演 「近年、データベース・マーケティング、マイクロ・マーケティング、パーソナル・マーケティング、カスタマードリブン・マーケティング、マスカストマイゼーション・マーケティング、インターラクティブ・マーケティング、インテーグレーテッド・マーケティング、ロイヤルティ・マーケティング、リレーションシップ・マーケティング、インフォメイテッド・マーケティングなど。さまざま言われてきた。ダイレクト・マーケティング業界は、今、根本から変化を求められている」(以上からスタート) *5段階のマーケティングに整理できると提案 1段階:マス広告による販売 2段階:顧客セグメント化、パーソナル化によるダイレクトメール(プロモーション測定) 3段階:顧客動向の測定による拡張化の理解 4段階:顧客動向の統合(マスカスタマイゼーション) 5段階:製品情報の商品化(情報を売ることによって商品を売る) ・顧客動向の事例(4段階) スキー客のリフトパスをバーコード化し山中の動向をデータ化し、顧客別プロファイルを作成。プロファイルグループ別にマーケティング・プログラムを作成し、マスカスタマイズ化。 ・情報で商品を売る事例(5段階) 種を販売するために、衛星で農家に気象情報などから「今何を植えるべきか」など情報を提供し、種の販売に成功(パイオニア・ヒューブレッド社) ※(荒川コメント)米国10大学、早くからデータベース・マーケティングコースを開設した。日本では2006年現在どこの大学にもこのコースは存在しない。日本はいまだにマスマーケティングから抜け切れていない。 ・
ローレル・カトレイ(フート、コーン&ベルディング社副会長)の講演 「99年の未来焦点」 日常品、ベーシックなものはケチるが重要な事柄については本物志向が強く出る 少量多品種から少品種に移行する 消費者の氷山の一角しか見ていなかったが、全体像を読む必要がある 地理的ではなく感情にセグメントする コントロール不能になる(動きが早すぎるし、変化が大きい) 立場が逆転する 人間の本質、人類の原点に戻る(深層心理にある価値観の理解が重要) <この年の分科会コース> インターネット(初めて登場)、エレクトロ・メディア、インターラクティブ・クリエイティブ、DRTV、ロイヤルティ・マーケティング、データベース・システム、データ分析、ダイレクトマーケティング技術、マーケットリサーチ、消費者動向、ニューダイレクトマーケター、クリエイティブの役割、インターナショナル・マーケティング、インテーグレーテッド・マーケティング、コンシューマー・インターフェース、消費財メーカーのダイレクトマーケティング、B−to−B、保険金融業のダイレクトマーケティング、小売業のダイレクトマーケティング、募金マーケティング、プライバシー規制、ダイレクトマーケティング人事。以上の22コース(2006年は9コースに整理)<企業訪問と特別講演> ・
ATIテレマーケティング会社訪問、視察(大学の町に人材確保のため建設) 学生は自由にサイトに入ったり出たりできる自由な環境のテレマーケティング。 一人あたり面接したかの時間効率ではなく、どれだけ一人の顧客と長く話したかが評価する。 ・
スェルモーター特別講演(ホテルにて); ※『一回のお客を一生のお客に変える方法』ダイヤモンド社(ロングセラーになっている本) 当時、ダラスに4店、サンアントニアとニューオーリンズに各1店、合計6店舗のキャデラックを販売するディーラー。最高のサービスを提供し、顧客維持に成功している事例としてはバード・ビジネス・スクールの教材にもなっている。 *スェルモーター社の経営信条 (1)すべてが一番であること (2)なにがベストか常に学ぶ (3)拝借、拝借、拝借 *スェルモーター社の10か条
1. 顧客の声を聞き、不満には必ず応えること 2. サービスに本来必要なことは単なるスマイルではなく、欠陥のないサービスを提供すること 3.
期待しているデリバリーより速くする事。期待を裏切らないこと 4. 一人のお客様を失うと10倍のコストがかかる。常に「イエス」と言うこと 5.
検査官を廃止し、技術者の仕事の質を向上させること 6. お客様の苦情は非常に重要である 7. 毎日の業務を測定すること 8. サラリーは不公平になる。セールスマンとのパートナーシップにより支払う。 9.
従業員のマナーのよさが顧客へのよい接客 10. 日本から学ぶこと ※床はピカピカ、工具類は床の下、新聞や雑誌を自由に読めるサロンなど顧客をもてなす環境作りに力を注ぐ。日本の清潔なショールームを見てヒントを得たそうである。
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