流通再生戦略
 
第6章 よい顧客サービスの源流
 
従業員を顧客のように扱う
 
 

社内顧客と社外顧客の関係が顧客サービスの成否に関係している。この章の始めに「働きたくなる場所」が「買いたくなる場所」に変えるのと述べたことと一緒のことである。社内顧客のよい関係が社外顧客によい関係を与える。つまり、社内顧客と社外顧客の関係は、カスタマーチェーンを形作っている。お客様とじかに接する機会のない従業員は、自分の仕事は社外顧客にほとんど、あるいはまったく影響がないと感じているが、大局的に見ると、全従業員が社外顧客のサービスを満たすために何らかの役割を果たしていることになる。ひとつひとつの社内顧客とのやりとりが常に社外顧客へ重要な影響を与えている。

993年頃、ウォール・スリート・ジャーナル誌に「従業員を大事にしない企業は顧客サービスも不十分である」という記事が掲載された。 顧客に提供するサービスの質は管理者が部下をどう扱っているかに比例する。従業員を重要顧客として扱うと従業員は社外顧客によいサービスを提供する。逆ならサービスは悪化する。管理者は従業員の接客に気を配るだけでなく、従業員自身をお客様として扱うことから始めなくてはならない。従業員がどのようなサービス態度であるかではなく、従業員が働きやすい職場環境をつくることを最優先する必要がある。

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