流通再生戦略
 
第2章 小売業は人−人材育成こそ再生の条件
 
能動人間と受動人間
 
  人間は2種類の人間がいる。環境に対する適応の仕方で2種類に分かれる。物事に対応する仕方の違いで2種類になる。「受動的適応」型人間と「能動的適応」型人間の2種類である。

受動的適応型は、問題が起きてから反応する受身行動、能動適応型は先の変化をあらかじめ予測して、それに備える行動をとる能動行動。あなた自身、あるいはあなたの会社はどちらだろうか。環境への対応は能動的適応でなくてはならない。受身では変化のスピードについていくことができないし、心の余裕もなくなる。仮説を立て、仮説を検証しながら前進する対応の仕方こそ、最高の対応策になる。

進化論学者のG・E・ゴグヒルの言葉を引くならば、「生物体は、環境に対して反応するより前に、それに活動をしかけるものである」と述べているように、環境に向かって突きかかっていく。精いっぱい蹴り、叫び、息づき、打ちのめしていく。そういった積極的な働きかけがなくては、厳しい環境で生き抜いていくことができない。流されるまま、そのつど対応していく受動的対応では、どこへたどりつくのかわからない。能動的な行動を引き出し、組織内に浸透させるトップの指導力が小売業再生に必要な条件になる。

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