POSデータ活用学
POSデータ活用学 第4項
適性品揃え維持のための活用

次のように5つの活用ジャンルがあります。あなたの会社はPOSデータをうまく活用されていますか?

1) 死に筋商品把握による適正在庫維持
4週間とか5週間たっても1個も売れない商品は、死に筋商品と言っても過言ではありません。コンピュータから、例えば、8週間売上ゼロリストなど、販売の遅い商品アイテムがレポートされます。この中には、そんなに売れないとわかっていて取り扱っている場合もあります。お店の魅力を高めるために、「見せ筋」として意識的に取り扱っている商品アイテムです。あるいは、新商品で、まだまだ市民権を得ていない商品も入っているかもしれません。それ以外は、人気を失ってきている商品アイテムです。魅力ある売場を維持するためには、販売の遅い商品は、即刻、売場からカットすべきです。

2) 売れ筋把握による欠品防止
逆に、とても売れる商品があります。売上の早い商品アイテムです。牛乳や豆腐などの日配品は売れ筋商品です。一般食品でも、売れ足の早い商品や遅い商品があります。売れ足の早い商品は、うっかりしていると商品が棚から消えてしまうことが多いのです。いわゆる「品切れ」です。品切れは、せっかく売れるのに、商品がないために売れません。販売機会ロス(チャンスロス)というやつです。せっかく来店していただいたのに、品切れしていては、顧客満足上でも大きなマイナスです。よく売れる商品をよく覚えておき、絶対に品切れを起こさないように注意する必要があります。

3) 新商品評価への活用
メーカーはあれこれと新商品を市場に出してきます。大きいものを小さくしたり、小さなものを大きくしたり、分離してみたり、結合してみたり、様々、新商品を送り出してきます。しかし、ほとんどの商品はすぐに市場から消えてしまいます。10パーセントも残っていればいい方だと言われています。市場はめまぐるしく変化しているのです。いったんは新商品を導入しますが、新商品導入に当たっては、市場テストという考えが絶対に必要です。一度はテストしてみる。その結果で、本格的な導入を検討する。テストをせずに導入をやめたり、営業マンの薦めで導入し、そのまま放置していては、売場の魅力を失ってしまいます。新導入の商品は、徹底的に分析する必要があります。

4) 広告効果への活用
メーカーのマーケターなら広告商品の効果測定です。POSデータを小売店から集め、POSデータをメーカーに提供しているデータサービス業者があります。そこからデータを購入し、広告投入以前、広告投入中、広告投入後、というように広告商品の販売量を分析することが可能です。広告投入によって、販売量がのびれば広告効果があったといえます。この分析方法は「ビフォアー・アフター分析」といいます。小売業ではチラシによる特売、あるいはエンド陳列による販促を実施します。チラシに掲載した商品がチラシによってどれくらい販売数量がのびたか、またチラシ投入後、その商品の販売量は、以前よりのびたかどうかを分析します。エンド陳列効果分析も同様です。エンドに陳列した商品が、陳列前は一日どれだけ売れたか、陳列終了後、以前よりその販売数はのびたかなど分析します。

5) 価格政策への活用
通常、販売価格を下げれば販売数は上昇します。逆に、価格を上げれば販売数は減少します。いわゆる「需要曲線」です(用語辞典参照)。では、いくらにすれば販売数はどれだけのびるのでしょうか?その分析が、価格政策への活用です。現状より5%下げたら販売数は3%のびた。10%下げたら販売数が8%のびたなどの分析です。販売数量の変化ばかりではなく、売上高、粗利益高の分析も必要です。つまり、最大の売上、利益高をあげられそうなところに、価格を設定します。もちろん、ライバル店もあるので、理論上だけでの価格設定は困難ですが、価格と販売数量の関係を知っておくことは重要なことです。

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