流通再生戦略
 
第6章 よい顧客サービスの源流
 
よいサービスを形成するモデル
 
 

小売業の「場」は二つある。従業員の場と買い物の場の二つ。よいサービスがあれば、従業員が「働きたくなる場」になり、顧客が「買いたくなる場」になる。逆は「働きたくない場」であり、「買いたくない場」になる。従業員が働きたくなる場と感じれば、お客は店を買いたくなる場と感じる。つまり、よいサービスの源流は従業員が働きたいと思える場所かどうかにかかっている。

働きたくなる場所をつくりだす要因は大きく二つある。従業員の「仕事に対する態度」と従業員の「会社に対する態度」である。従業員の仕事への態度はつぎのような項目が影響する(以下の項目でアンケートをとってみるとよい)。

  • 従業員は仕事が好きであると感じている
  • 従業員が仕事で達成感を得ている
  • その会社で働くことを誇りに思っている
  • 自分の仕事量は自分の仕事に適切であると感じている
  • 仕事が自身の体調に影響することはない
  • 上司の接し方が仕事に影響することはない

つまり、元気いっぱいになる職場が仕事への態度をプラスに働かせる。

会社への態度自体も従業員の態度に大きく影響する。会社への態度はつぎのような項目が影響している。

  • 自分の会社の先行きが明るい
  • 自分の会社は、競争に勝つために、常に効率的になるよう努力し、改善している。
  • 自分の会社のビジネス戦略を知っている
  • 自分が担当している仕事と会社の戦略との間につながりが見えている(目指す方向が一緒)

以上10問。8点以上の従業員が多ければ従業員が「働きたい場所」と評価する。この高得点がお客様が買いたくなる場所として評価する。買いたくなる場所は従業員の態度次第になる。従業員が自分の仕事に満足し、上司に満足し、会社に満足していると元気一杯仕事に従事。それが顧客に対するサービスのよさに変わる。商品知識が向上、品質管理もばっちり、マニュアルではなくフレンドリーな挨拶、親切、お客様の声に前向き、積極的にお客様と対話する。お客様からなにかを頼まれれば仕事を放り出し、お客様の求めることを優先する。これがお客様に好印象を与え、お客様が買いたくなる場所と評価する。

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