流通再生戦略
 
第5章 小売技術論(2)−正しいデータ分析
 
システム投資額をどのように考えるべきか
 
 

データを活用するビジネスに転換するには、店舗のリニューアル投資と同じようにシステムに投資をしていかなくてはならない。単なる電子計算機ではなく、情報器機としての投資に目を向ける必要がある。ではどれほどシステム投資を見込んだらよいか、ひとつの基準を述べる。

粗利益率の大きい百貨店は売上高対比2%程度のシステム費をかけている。この費用にはコンピュータなどハードウエアのリース料、ソフト使用料、通信回線料、システム開発費消却、システム担当の人件費など運用費を含んでいる。

スーパーマーケットは売上比1%のシステム投資額を準備すべきだ。
・年商10億円のスーパーなら年間1000万円を計上。月々およそ83万円。
・年商50億円のスーパーなら年間5000万円を計上。月々およそ410万円。
・年商70億円のスーパーなら年間7000万円を計上。月々およそ580万円。

この投資回収率を1%に設定すれば元が取れる。つまり、システムの目的を1%のムダの排除に設定する。あるいはロス率2%なら1%に改善する目標、あるいは荒利益率1%アップする目標をたてればよい。効果がわからないチラシに1%かけるよりもシステム投資に投資する方が得策と思われる。ただし、武器になるシステムにする必要がある。会社のプロモーション戦略や営業戦略と関係ないシステムなら投資してもムダになる。

投資がムダにならないよう適正なシステム・コンサルタントに相談すべきである。ただし、コンサルタントといっても、有名な会社なのに、まったく小売業を知らないコンサルタントが多いので注意が必要だ。

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