流通再生戦略
 
第5章 小売技術論(2)−正しいデータ分析
 
データマイニングとはなにか
 
 

日々の企業活動から発生する、大量で多様なデータの中から有効な、新しい傾向やパターンを発見する統計手法を一般にマイニングといっている。マイニング(mining)とは「鉱山を採掘する」という意味で、データの山からビジネスの鉱脈を発見することからマイニングという名を付けている。

マイニングの主な手法に、相関分析、ディシジョン・ツリー(決定木分析)、クラスター分析、時系列分析がある。相関分析の事例を紹介する。

上白糖と玉子の関連購買分析でサポート(support)20%、コンフィデンス(confidence)70%、リフト(lift)1.25という数値になった。2商品を購入した顧客は200人(サポート20%)。コンフィデンス70%は上白糖を買った顧客286人のうち70%が玉子を一緒に買っているという意味になる。リフトの1.25は玉子1品を購入するよりも、上白糖を購入したときの方が1.25倍玉子を買う傾向にあるという意味になる。つまり、玉子の売上は上白糖に依存しているということになる。このリフト数値が30.0だったとする。この数値は上白糖を購入した顧客は玉子を買う傾向が30倍あるという意味をしめす。手ぶらに歩いている来店顧客に玉子を一生懸命売るよりも上白糖を購入している顧客に玉子を勧めた方が30倍売れるという数値になる。

このようになにとなにが関連して購買される傾向があるか(サポート)、なにを購入した人が何%購入するか(コンフィデンス)、買いやすい傾向はどの程度かの数値(リフト)をマイニング相関分析記が示してくれる。

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