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第4章 小売技術論(1)−正しい分類
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分類は状況把握の手がかり
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スウェーデンの博物学者であるリンネは、18世紀、生涯をかけて生物分類法の基礎をつくった。「生物のこの世界においてのあり方は、でたらめにばらまかれているのではなく、そこには一定の秩序なり、法則なりがあるのではなかろうか」として、生物世界のなかで特徴的な性質、一般的な性質から、相対的に共通する誰にでもそれとわかるグループに区分し、整理をしていった。それを生物分類学(タクソノミー)という。こうして生物世界は、バラバラであったものが整理され、体系化された。
このように、分類とは、バラバラな世界を整理配列し、ひとつの秩序のあるものにつくりあげるために必要な技術である。そして分類によってひとつの「手がかり」が得られるのである。 たとえば、あなたが図書館で、ある本を捜すことを考えてみるとよい。バラバラに置かれた多くの本の中から目的の一冊を得ようとするならば、たいへんな労力と時間を費やすことになろう。しかし、哲学、心理学、歴史、地理、社会科学、自然科学、工学、芸術、産業、文学などに区分され、さらに自然科学であるなら、数学、地理、化学、天文、地学などと細分されているならば、目的の一冊を捜すのにさほど労力と時間を費やさずともよいはずである。つまり、分類されることによって、それが手がかりとなり、見つけやすくなる。分類されていなければ必要とする本を探し出すことはほとんど不可能になる。
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