『図説アメリカ大統領』 マイケル・ケリガン 原書房
 

職権乱用、汚職、腐敗、陰謀、スキャンダル。大統領の悪にまみれた歴史を図版とコラムで綴った本。

○初代大統領ジョージ・ワシントン(1789-1797)
金銭欲と食欲、なにしろ金遣いが一番。水増し要求が当たり前。
○3代目トーマス・ジェファーソン(1801-1809)
自由への戦いと憲法の起草、才気あふれる人物。一方で宗教軽蔑、貿易を禁止。
アフリカ系アメリカ人の奴隷サリー・ヘミングス14歳と恋愛関係に。
○5代目ジェームズ・モンロー(1817-1825)
腐敗とスキャンダルの大統領。ホワイトハウスの再建で私服を肥やす。最初のホワイトハウスは火事で消滅。
○9代目ウィリアム・ハリソン(1841)
寒さと雨の中2時間、史上最も長い就任演説をし肺炎をおこし、あっけなく命を落としたわずか32日間の大統領。
○16代目エイブラハム・リンカーン(1861-1865)
大統領というより「専制君主」と政敵が非難。先延ばしの名人とも。
3人の息子をなくした大統領の忠実な支持者メアリー夫人は、死者の霊と交信するため心霊術に熱心になる。
○18代目ユリシーズ・グラント(1869-1877)
南北戦争で北軍の勝利に貢献した将軍。軍人としての功績は立派だが大統領としての業績は貧弱。政権運営は汚職。
○26代目セオドア・ルーズベルト(1901-1909)
比類なき偉大な大統領。ラフ・ライダー(荒馬乗り)でありながら優雅で文筆家。途方もない多面性を持つ人物。
政界のカウボーイ的英雄。
○29代目ウォーレン・ハーディング(1921-1925)
スキャンダラスな大統領の代表格。性的な無節操。浮気相手は夫人の友人たちや事務所のタイピスト。
○32代目フランクリン・ルーズベルト(1933-1945)
名門出の大統領。アメリカの政界に気品をもたらした。私設秘書ルーシー・マーサーと最初の浮気を始めた。
○34代目ドワイト・アイゼンハワー(1953−1961)
国民の反対を押し切り、第二次世界大戦に参戦したいため日本の計画に目をつぶり、傍受された情報に耳をかさず、
真珠湾を攻撃させた。
○35代目ジョン・F・ケネディ(1961-1963)
マリリン・モンローは大統領に真剣に恋をしていた。永遠のジャッキー。ジョンの暗殺後、義弟のロバートと関係を持ち、
その翌年俳優のマーロン・ブランドと浮気をしていた。
○36代目リンドン・ジョンソン(1963-1969)
この粗暴な悪党は、敵に威張り散らすだけでなく味方にも横柄で強引。会議中にオフィスの流しに小便をしたり、
トイレに坐りながら部下たちと話したり、口汚く、糞まみれな男。
○42代目ビル・クリントン(1993-2001)
ヒラリーに「玄関先につないでおくべき攻撃用の番犬」と言われた男。周囲の人々を引きつける非凡な才能がありながら、
相当の日和見主義者で「人格の問題」がつきまとう。モニカ・ルインスキーとの浮気で法廷侮辱罪に問われた。
○43代目ジョージ・W・ブッシュ(2001-2009)
母親バーバラの過保護で大人になっても自分で何もできず、ずっと父親のコネや人脈を頼った人生を送る。
愚鈍といわれているが、大学時代の友人によると学業成績は良くなかったが、機転が利き、他人の気持ちに敏感だった。
麻薬とアルコール依存症がつきまとった大統領。