『藁のハンドル』  ヘンリー・フォード  中公文庫
 

ヘンリー・フォードは、1863年生まれ。
祖父は貧困と疫病に喘いでいたアイルランドから、
未開の森林地帯のデトロイト近くのディアボーンに移民。
小さい頃から機械好き。エジソン照明会社の技師として就職。
1896年、単気筒ガソリンエンジンのフォード車第一号を完成。
慈善行為は卑しい自己満足。慈善は人の努力や奮起を無為にすると否定。
政治家否定、金融業者否定、保護貿易・関税を否定、国内需要を無視したヨーロッパ経済を否定。
経営は利潤動機ではなく、従業員の賃金動機を重視すること。物より人が大事。
「資源の浪費よりも人生や労働の浪費をなくせ」と。貧困は良く働くことでしか解決しない。
標準化は進歩を妨げる。過去の標準、昨日の標準は昨日の最善であって
今日の標準と取り違えてはならない。標準は進歩を妨げることになる。
賃金を上げ、販売価格を継続的に引き下げる努力をする。大衆が購入することができる価格にする。
その需要が経済を成長させる。賃金をできる限り抑制し、販売価格を上げるのが経営ではないと語る。
経営者としての哲学がある。
50年先、100年先を見通した経営の思想があり、現代に通用するところがあるように思う。