ドロシーレーン・マーケット(DLM)

 

・概況

オハイオ州デイトンで3店舗経営。ディスカウンターではなくアップスケールな高級スーパーマーケット。デリ、寿司、野菜、果物など充実。試飲コーナーのあるワイン売り場は圧巻。顧客密着、地域密着型のスーパーマーケット。2004年の年商はおよそ70億円。
 
・FSP導入理由
10年前(1995年)、2年間の検討を経てFSPを導入。買い回り客軽視、特売廃止、ウォルマートに対抗するようなディスカウント政策を廃止。ウォルマートのルールではなくドロシーレーンのルールで商売するという堅い決意を全社一丸となって決定したという。客数は減少したが、売上・利益ともに順調に推移している。

・顧客購買の実態
トップ2人の売上高は下位4500人の会員分に相当、トップ10人の売上高は下位9000人分の売上に相当するそうだ。上位30%の顧客の売上高は85%とかなり上位集中度が高い。それだけ固定客、ロイヤル・カスタマーが多い証拠。

・FSP顧客プロモーション
FSPプロモーションは至ってシンプル。単品のはがき形式のダイレクトメール。上位30%の顧客に向けた月刊マーケット・レポート。このマーケット・レポートに時々、クーポンのページを挿入。クーポンは3段階価格になっている。週70ドル以上購入者にはコーク89セント。週45ドルから69ドル購入者には99セント。週20ドルから44ドルの購入者には1ドル29セントの割引価格を提供する。
単品ポストカードで最も購入率が高かったのは49セントで販売した牛乳。72%が購入。他店が2ドル99セントで販売している牛乳をトップカスタマーに49セントで販売。トップカスタマーに感謝を込めての価格提供(話題づくり)。誰にも提供するのではなく高額購入者に限定してのはがき単品訴求ダイレクト・メールである。
 
・年間購入ベスト顧客プレゼント
年間の購入額トップ28世帯にお花プレゼント。3世帯には会長自らお花を届ける。残りは店長とマネジャーが自宅を訪問してお花を届ける。創業祭にはフォルクスワーゲンが当たるイベント。8月はバーベキューにご招待。地域固定客との関係づくりがばっちり。

・コンシューマー・コミッティ
店の一角に商品に関する相談ルームを設置。コンシューマー・コミッティの責任者がコミッティの話をしてくれた。毎週12名のボランティアによる委員会が開催される。任務は3年間。お店のこと、商品のことに関するディスカッションを続けている。





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