カナ 用語 解説
クイ

クイック・レスポンス

【QR】

衣料品・雑貨を取り扱う小売業・製造業で広く採用されている戦略的手法である。在庫切れの削減、値下げの回避、発注から納品までの時間的対応(レスポンス)を短縮する目的で小売業と製造業が戦略的提携を結ぶ。QRシステムの効果的運用のためには、情報の製販での共有が必要であり、特にPOS販売データが提供されることが必要である。EDI、バーコード技術がQR推進に欠くべからざる要素でもある。
クオ

クォーター法

【quarter method】

アメリカで一般的に採用されている市場調査のための有意抽出法。個人調査を例にとれば、性・年齢・職業・地域別に、母集団に比例するように標本数を割り当てておき、調査員が条件にあった対象者を選ぶ。標本の属性分布が母集団のそれと一致することは確かだが、質問項目に対する回答まで母集団を代表しているかは保証の限りではない。しかし、調査目的にあったサンプリング・フレーム(調査対象者の名簿)が利用できない場合は、次善の策として用いられており、わが国でも、市場調査の主流を占めるようになっている。また、クォーター法は、地域内での個別情報をとりやすいところから、営業地域のエリア調査や、新規出店の商圏調査に利用されていることが多い。
クジ

苦情処理

【adjustment/compliant】

企業に対する消費者の苦情申立てを適切に処理することで、紛争が生じた場合には話合いで解決することをいう。この苦情処理は、消費者の交渉能力の不足などが問題となるために消費者運動の主要な課題のひとつとなってきたが、昭和43年に「消費者保護基本法」が制定されたほか各自治体でも消費者保護条例が制定されつつあり、それに基づいた苦情処理の窓口が公的機関によって整備されてきている。また、民間企業においても苦情処理に積極的に取り組むところが増加してきている。苦情は消費者の要望でもあるから、個々のケースについて適切に処理するだけではなく、それらを日常的な業務の中に反映させることが重要となってくる。たったひとつの苦情処理の失敗によって大きなイメージダウンとなるケースもあれば、逆に処理のしかたによっては大きな社会的信用を得るケースもあり、それだけ苦情処理は企業活動において重要なものであるといえる。
クチ クチコミ 広告、宣伝をテレビ、新聞などを通じて不特定多数の人びとに情報を伝達するマスコミに対して使われるもので、人の口から口ヘ伝えられる情報伝達のことをいう。現在のような情報過多の時代には、クチコミによる情報提供は信用性があり波及効果も高いとされ、各企業の関心も高く、クチコミを生かした情報伝達を積極的に営業に生かす企画がつくられている。今後もマーケティング活動を展開していくうえで、ますます重要になってくるものと思われる。アドボカシーとも言われる。
クポ

クーポン

【coupon】

割引券、景品引換券、優待券の総称。米国では、新聞や雑誌にクーポンを印刷。顧客がそれを切抜いて店へ持参し、値引きを得たり、引換えに商品をもたったりする。商品や商店へのロイヤリティを高め、反復購入を促し、消費者を固定化する手段として活用されている。最近では、店内に設置したキオスクで顧客がクーポンを発行する仕組みを提供する企業(カタリナ・マーケティングやインターアクト社)が登場。またインターネットと自宅でクーポンを発行するシステムを提供する企業(プラネットU)も登場している。
クラ

クライアント

【client】

一般には専門家に相談にくる依頼人のことであるが、広告業界では、媒体、広告代理店と取引のある広告主のことをいう。よくスポンサーと混同されているが、スポンサーはテレビ・ラジオの広告主のことをいっているもので、印刷媒体の広告主についていうには適当でない。クライアントの中には、テレビ・ラジオのスポンサーにはなっていないところもあるので、クライアントをスポンサーというのは正確ではない。
 

クラスター分析

【cluster analysis】

ライフスタイル分析やマーケット・セグメンテーションなどに利用されるグルーピング法。多数のデータにもとづいて、サンプルや変数を類別する。こうして得られたグループのことをクラスターとよんでいる。計算技法上は、ツリー・ダイヤグラムを描きながらクラスターをまとめてゆく階層的方法と、クラスター数を先に決めておいて、その条件下で最適分割を行う非階層的方法に分けられる。市場が多様化し、高度化するにつれて、販売計画の策定のためには、このグループ化は、重要な作業である。データ・マイニングの基本機能でもある。
  クラス分類 品群・品種・品目は商品分類の呼称。クラス・サブクラスは顧客ニーズからの分類の呼称。社会成熟化とともに単機能中心の需要から用途や個性、マインド(感性)を求める需要に変化する。したがって、顧客のニーズ把握にあわせた売り場づくりが売り場展開の中心になっており、その売り場の販売動向を分析、管理するための分類である。売り場分類、あるいはマーケット分類ともいう。米国バンバーガー百貨店は「顧客ニーズは突然変化したり、あるいは微妙に変化していく。この変化を予測し、あるいはいち早く把握して、品揃えに反映させていかねばならない。」として、クラス分類は顧客ニーズ把握の手段であると述べている。クラス分類の改廃率は20−40%になると指摘している。
 

クラス・メディア

【class media】

ある特定の階層や集団を対象とする媒体。業界紙、趣味の雑誌などの専門誌(紙)がその例である。婦人雑誌、サラリーマン雑誌、少年少女雑誌では、まだクラス・メディアといえないが、市場が多様化するにつれて、細分化した特定の消費者層への訴求が重要となっており、全般的にクラス・メディアの方向をとっている。これに対して、テレビ、ラジオ、一般誌、週刊誌、日刊紙などをマス・メディアといい、これらは特定の読者に関係なく、広く一般大衆を対象としている。
クリ

クーリングオフ

【cooling-off】

「割賦販売法」により、消費者が割賦販売契約をした後でも契約解除ができる規定。その条件は、営業所以外の場所(訪問販売や街頭)での割賦販売契約であること、契約した日から4日以内であること、内容証明や書留郵便などで解約の意思表示を明確にすることなどである。クーリングオフの本来の意味は「頭を冷やす」ということであり、消費者が契約した後で冷静に考え直すということからこの用語が使われており、消費者保護規定のひとつである。
 

クリエーター

【creator】

創造者、創作者をいう。広告業界では、広告をつくる創作技術者。広告制作にたずさわるアート・ディレクター、イラストレーター、コピーライター、カメラマンなどの総称。このクリエーターをかかえている広告代理店をクリエイティブ・エージェンシーと呼んでいる。彼らの創造活動が販売に大きな影響を与えるので、クリエーター集団に対する関心が高まっている。
グル

グループ・インタビュー

【group interview】

略してグルイン、あるいは集団面接法という。一度に6人〜7人くらいの対象者を集めて、知りたいテーマについて座談会形式で発言させる方法。定性的な調査のひとつである。グルインに期待される情報は、出席者の自然な表現が得られる、出席者問のディスカッションに触発されてふだんなら出てこないような発想が飛び出すことにあり、販売アイデア・販促アイデアや品揃えや売り場環境・サービスに関する問題点把握に、この手法を使うことができる。司会者の技量が成功の決め手となるなど、きわめて専門性の高い調査である。
クレ

クレーム

【claim】

本来は貿易用語であり、貿易取引上の契約における義務を相手側が実行しなかったり、それによって損害を受けたりした場合に、こちら側の権利を主張したり損害賠償を請求したりする申立てをいう。販売上は、消費者側からの苦情全般をさす言葉として用いられ、相手側の苦情をさす日常的な言葉として使われるようになっている。
 

クレジットカード

【credit card】

現金を持たなくてもそのカードを提示するだけで、カード発行会社の加盟店やカードを発行した店で買物などができる、いわゆるキャッシュレスカード。プラスチックマネーともいわれる。
 

クレジット販売

【credit sale】

掛売や割賦販売などの代金後払いによる信用販売のことであり、クレジットカードによる販売も含まれる。最近では、信用販売会社だけでなく、単独小売業者や商店街なども盛んにクレジットカードを発行するようになってきた。これは、代金後払いという顧客にとっての買いやすさを提供するだけでなく、クレジットカードを発行することによって顧客の年齢、住所などの属性や商品の購入動向が把握でき、きめ細かな顧客対策や売れ筋商品の仕入に活用できるからである。
クロ

クロージング

【closing】

商談締結のことで、買い手が商品購入の意思表示をして、最終的に売買行為が完了するまでの過程をいう。消費者保護のために、「割賦販売法」や「訪問販売法」などでは、この過程で販売条件の明示義務や契約書面の交付義務などを売り手に課している。アプローチからデモンストレーション、そしてクロージングへと営業活動を行うが、この営業活動過程での注文獲得の追い込みをクロージングともいう。
 

クローズド・システム

【closed system】

オープン・システムと対比されるシステム概念。クローズド・システムとは、環境とのあいだに、物質の移出入がなく、その構成要素の変化がないようなシステムと定義されている。
 

クローズド・テリトリー

【closed territory】

販売員や販売店に対し特定の販売領域を与え、そこでの独占的な販売権を保証する制度。逆にみれば、他の販売領域へのセールス活動を認めない制度でもある。この制度の長所は、担当するテリトリーをきめ細かくセールスすることやサービスすることが可能な点であるが、反面、その販売員が辞めた場合には、顧客がその販売員についてライバル企業に移ったりする懸念がある。
  クロス集計 小売店の業種別の売上高とか、店主の年齢別の売上高というように、調査データや資料を何らかの基準別に集計すること。調査データの集計では、まず単純集計といって全体の合計を出した上で、ある質問での回答と別の質問での回答がどう結びついているかをみるための、性別・年齢別など属性別クロス集計などによってより詳細な情報を読みとってゆくことが多い。集計結果はクロス表(分割表)で表現される。分割表をつくる目的は、2つの属性間の関係を知るためであるが、これらの2つの属性が相互に独立でないとき、それらの属性は連関をもつという。
 

クロス・セクション分析

【cross-section analysis】

ある事象が他の事象に影響をおよばす場合、その事象には影響力の原因となる複数の因子が含まれていると考えられる。影響を及ぼすこれらの因子の相互関係を分析する。時間を追ってダイナミックに変動する現象を、ある一時点で横断的に切って分析する方法。時系列分析と対比した意味で使われている。たとえば、年をとれば何に関心が移るか、収入が上がれば何に使うか、という問題があった場合、クロス・セクション分析では一回の調査データをクロス集計し、年齢層の比較・収入層の比較を通じて、これに答えようとするものである。
 

クロスチャネル・ショッピング

【cross-channel shopping】

かつては、食料品はスーパーマーケット、医薬品はドラッグストア、軽衣料や家庭用品はディスカウントストアでと、消費者は買物によって店舗形態(チャネル)を決めていたが、ディスカウントストアが食料品を扱うスーパーセンターを登場させ、ドラッグストアもドライフードや化粧雑貨を大量に扱うようになった。このような従来のチャネルにこだわらず、消費者が価格、品揃え、品質、利便性によって店を選んでショッピングすることをいう。
 

クロス・ドッキング

【cross docking】

商品が倉庫や配送センターに届けられたとき、一時的保管をすることなく、すぐに小売店舗に配送できるように作業が行われる仕組み。入荷場所(インバウンド・ドック)から出荷場所(アウトバウンド・ドック)に商品を通過(クロス)させる意味からきている。クロス・ドッキングでは入荷と出荷に関する業務が緊密に関連づけられていることが重要である。商品の一時保管、在庫、仕分け作業を行わず、大幅なコスト削減が実現できる。パレット・レベルのクロス・ドッキングでは取引先から入荷されたパレットはすべて余分な作業をすることなく、直接店舗への運送となる。ケース・レベルのクロス・ドッキングでは、ケースはベルト・コンベヤーに乗せられ、自動的に所定の店舗向けの出荷場所に送られる。
 

クロス・マーチャンダイジング

【cross merchandising】

一般に店内では、商品が品種別にグルーピング(カテゴライズ)されて陳列配置されているため、その関連商品群は別のグループとなり、目に触れにくい。そのような問題点から、消費者の生活シーンから発想して、「食事をつくる」「食事をする」「家族団らん」「飾る」「学習する」「鍛える」「楽しむ」「くつろぐ」など生活の場で商品をくくり、購買を刺激するマーチャンダイジング手法。