カナ 用語 解説
キギ 企業イメージ マーケティングや広告でいうイメージとは、消費者が企業に対してもつ印象、見方をいう。好ましいイメージを消費者に与えることは、販売向上にもつながり、きわめて重要なことである。企業イメージは、商品イメージやブランド・イメージより上位の概念であり、これに対する消費者の関心は強い。企業イメージが形成される過程には、広告、売上高、利益高のほか、文化への貢献、地域社会への参加、組織の運営といった、多面的な要因が関わっている。
  企業外情報 商品の仕入や販売を決定するための情報ソースのうち、自社以外で得られる情報のこと。主なものには、産地、メーカー、卸売などの情報・提案・資料、同業他社の動向に関しての資料、業界紙や専門紙の情報、一般マスコミの情報、消費者団体や官公庁の情報、海外資料、見本市、展示会、インターネット情報がある。
  企業広告 製品そのものを売るためではなく、企業の姿勢、企業の考えかたなどを広告し、それによって人びとに好意や好感をもってもらい、親密度や信頼度を高めようとするもの。今日のように、製品自体が甲乙つけがたいとき、企業のイメージづくりは大切な作業となっており、コーポレート・アイデンティティをはじめとした企業まるごと売込み作戦は、高度なマーケティング戦略となっている。
  企業内情報 販売や仕入などに関する企業内の資料・情報のことで、広く経営に貢献する情報ソースとして、過去の実績資料は効用が大きい。その主なものは、過去の販売実績についての記録、その関連商品の販売記録、テスト販売記録、在庫や棚卸記録、顧客からの苦情などの消費者情報、販売員の意見や提案、調査スタッフや研究スタッフの情報などである。マーケット変化のスピードが速い今日、内部データの詳細をデータウェアハウスに保管し、必要なときいつでもタイムリーに検索できるようなリアルタイム・マネジメント・インフォメーション・システムが必要になる。いわゆる情報系システムである。情報系システムツールはデータウェアハウス、データマート(OLAP、多次元データベース)、データ・マイニングなどが上げられる。アプリケーションとしては商品情報システム(単品別売上・在庫数量、金額情報)、顧客取引情報(顧客別お買上明細情報)に大別される。
  企業文化 コーポレートカルチャーともいう。地域や消費者、あるいは国際間での好ましいイメージを形成しょうという意図で、企業が文化活動に参加すること。企業文化の方法としては、スクールなどの文化的ビジネス、文化的催事、出版・教室などで消費者を呼ぶ、芸術・文化・スポーツ・福祉・環境・自然などを保護育成して社会に還元するなど、さまざまな形がある。企業が文化そのものを事業の対象とする場合と、販売活動を支援する側面、企業イメージを向上する側面、収益を社会に還元するといった側面を示しながら、文化を演出する場合がある。
ギジ 疑似百貨店 「大規模小売店舗法」以前の「百貨店法」のなかで、同法の適用外となっていた大型店のこと。昭和48年に制定された「大規模小売店舗法」およぴ以降の改正によって、店舗面積500平方メートルの店舗はすべて大型店として適用の対象となった。それ以前の「百貨店法」では百貨店という業態についてのみ適用されていたため、規模からみれば大型店であっても、スーパーなどの業態は同法の適用対象外となっていた。しかし「大店法」の制定によってこの矛盾は解消され、疑似百貨店ということばも使われなくなった。
キセ 季節商品 特定の季節を中心に販売される商品で、冬期の暖房機器、防寒衣料、夏場のビール、アイスクリーム、クーラー、などがあげられる。しかし、季節商品も生活水準の向上や企業努力によって年間商品化の効果をあげてきている例が多い。季節商品では季節的要因の影響を大きく受け、需要期間も短いため、季節はずれの不良在庫をかかえないように的確な需要予測が重要である。
  季節変動 年間を通じた商品の売行きの、好不調の周期のこと。季節変動は気侯的要因、あるいは社会行事(お盆・お正月など)などの慣習的要因によって生じるが、変動そのものはある一定の周期で毎年くる。したがって、季節変動を考慮した販売計画立案が必要になる。繁忙期または閑散期の計画的対応である。同時に、あらかじめ予測しうる変動であるから、業績平準化のために、他の面での経営努力が可能になる。季節変動を計数的にとらえてものを季節指数といい、月別平均法、連環比率法などの方法がある。
キタ 期待成果理論 消費者が、購入した商品について高い満足感を得ることは、反復購入の大きな要因になる。消費者の心の中には、商品購入時までに販売者や広告のメッセージなどにより期待が形成されるが、購入後のパフォーマンス(働きや機能)が、その期待と同じか、それ以上の場合には満足し、期待よりパフォーマンスが小さい場合には不満を覚えるとする理論。
キツ 拮抗力 米国の経済学者ガルプレイスが提唱した説で、一般には、大規模生産者の市場支配に対抗する卸売業者や小売業者などの流通業者、特にチェーン・ストアの市場支配力をさす。流通業者の市場支配力の根拠となるのは、集中仕入による量的支配力と、消費者との接点にあるところからくる市場ニーズの把握力である。集中仕入による量的支配力は低価格の実現に結びつき、市場ニーズの把握力は消費者が求めている商品企画や開発に結びつく。
キノ 機能別販売組織 販売組織の一形態。販売企画課、販売推進課、広告宣伝課などのマーケティング機能を中心に構成され、販売組織としては一般的、オーソドックスなものである。この組織の長所は、同一業務の集約化が可能となり、仕事の重複が避けられる、メンバーの専門知識や技能の向上がはかれる、メンバーの管理がしやすいなどがあげられる。一方、短所としては、部門間の調整に手間取る、全社的な目的より部門の目的が優先されやすいなどがある。
ギフ ギフト市場 お中元・お歳暮という贈答品需要、バレンタインディ・クリスマスなど社会行事でのギフト市場、誕生日・結婚記念日など個人の記念日でのパーソナルギフト市場に分けられる。お中元・お歳暮という慣習的需要がギフト市場の中核をなしてきたが、最近では日常生活の中での贈物の習慣が定着してきたので、ギフト市場も拡大、変質をとげてきた。特にその変化はギフト商品といわれる商品の多様化となって現われており、これまでの食料品や肉類、リネン類といった家庭向け商品から、趣味用品や旅行券などの個人を対象とした商品も伸びてきている。
  ギフト・レジストリー ブライダル・レジストリー(結婚の贈り物登録)から始まった。結婚する人が親戚・知人に案内状を送るとき、指定した小売業も合わせて通知する。小売業にはあらかじめ新郎・新婦が贈ってもらいたい商品のリストが登録されており、贈る側はこのリストから商品を選ぶこととなる。新しい家庭を持つにあたってテーブルセットなど、自分の好みやセンスに合った調度品を取り揃えることができ、合理的な贈答システムである。結婚のみでなく、子供の誕生祝い、祖父母の記念日などに広まってきている。
キボ 希望小売価格 製造業者が設定した小売価格で、実際に取引されているとみられる価格のことをいう。これを比較対照価格として、それより低い実売価格をつけて二重価格の表示をする場合、勝手に希望小売価格を高くしたり、実勢よりも高い表示をしたりすると、不当な二重価格表示とみなされる。また、実際に取引されている価格と製造業者などの設定した希望小売価格に相当の差がある場合には、その希望小売価格が不当表示とみなされる。
  規模の利益 規模の拡大に伴って経済性が高まることで、スケール・メリットともいう。製造業において、生産量がある一定水準に達するまでは、生産量が増加するほど単位当たりのコストが低減し、それだけ利益が増大することになる。これを規模の利益というが、大規模生産だけでなく、小売業などにおいて大規模店舗ほど高い販売効率を達成しているような場合にも、規模の利益が働いているということがある。この規模の利益によって商品価格が低下し、それによって需要が喚起され、規模の利益がさらに働くといった好循環が、高度成長時代の自動車産業や家電産業において見られた。しかし、市場の細分化により、昨今ではこのメリットが働きにくくなっている。
ギミ

ギミック

【gimmick】

本来的には面白い商品、ひとひねりある仕掛ということ。店頭で歌をうたう人形を催事に使用したり、ちょっと凝った懸賞販売のしかけからジョークめいた表現やプレミアムまで、広く使われる。
キヤ 客単価 買上客の一人当たり買上総額のこと。店舗の売上総額を買上実人数で割ると、平均的な客単価が計算できる。売上総額を増大するためには、買上客数を増加させるか、客単価を上昇させるしかない。客単価を上昇させるためには、より高額の商品購買へ客を誘導する方向と、数多くの関連商品を買ってもらう方向とがある。関連商品の販売を増加させるためには、品揃えが重要となり、そのためのスペースも必要となる。顧客の購買明細データを利用してバスケット分析を実施し、関連購買の動向を把握し、陳列方法や売場レイアウトを変更するなどの対策が必要である。
 

キャッシュ・アンド・キャリー

【cash and carry】

キャッシュは現金、キャリーは持ち運びの意味でありお客が現金で商品を購入し、お客自身が商品を持ち帰る制度のこと。この制度を徹底化したのが初期のスーパー・ストアやスーパー・マーケットなどのチェーン・ストアであり、お客のセルフサービスによる経費節減分を低価格として反映させることをスローガンとしていた。しかし最近ではサービス競争の中で、一定金額以上の商品を購入した際の配達サービスも増えている。またクレジットカードの利用によるショッピングの機会も増加しており、キャッシュ・アンド・キャリーの比重は低下する傾向にある。
  キャッシュレス社会 ショッピングや飲食などの日常生活の中で、現金を殆ど使用しない社会をいう。わが国においても、クレジットカードの普及によって、個人生活におけるキャッシュレス化がかなり進んできている。キャッシュレス社会は、普段現金を持ち歩かないため盗難などの被害にあう危険性は少ないが、カード犯罪の発生や、支払いが後になるため計画的なショッピングをしないと支払能力を超えた支出をしてしまうおそれがあることも事実である。
  キャッチ・セールス 街頭などで、通行人を呼び止めて商品を販売したり販売契約を結んだりする商法。訪問販売の一種と見なされ、「訪問販売等に関する法律」によって申込書面や契約書面の交付が義務づけられているほか、消費者保護の立場からクーリングオフの規定もある。また、化粧品の店頭販売にみられるような、店内においてお客に声をかけ化粧実演をしながら行う商品販売もキャッチ・セールスという場合がある。
 

キャラクター・キャンペーン

【character campaign】

企業や店舗の広告表現として、特定、独自の人物や動物を写真や絵によって作り出したものをキャラクターといい、その知名度や親密感などを高めるために行なわれる各種の活動をいう。店頭で、キャラクターのぬいぐるみを着用し、来店客に披露したりするのも、その一例である。
 

キャラバン・セールス

【caravan sales】

出張販売の一種で、商品をワゴン車などに積んで消費者の集まる場所を巡回して展示販売をする販売方法。今日では、お客がきてくれるのを店で待っていても簡単に売上が伸びない時代になっている。それならば、自分のほうからお客のいる所へ出向いていこうとする積極商法であり、今後はこのようなお客との距離を短縮する商法がリードしていくことになる。キャラバン・セールスの効果には、地域にマッチしたアプローチができる、普及スピードが速い、反応をすばやくキャッチできる、などがある。そのためには、地域の選定、活動期間の設定、販売・普及対象を明確にしておく必要がある。
 

キャンペーン

【campaign】

目標をたて、一定の期間、計画的に行う行動、組織運動をいう。明確なテーマにもとづき、実行されるもの。販売キャンペーンでは、特定の販売目標達成のために、各部門から人員を集め、社外ブレーンを動員して行う大きなものもあれば、季節の売出しや店内の催事など、それぞれのテーマによって活動の規模も異なる。
キヨ

協業化

【co-operating】

中小の小売業者や卸売業者が、大資本をバックとした百貨店や量販店に対抗するために、仕入や物流、広告などの事業活動の全般あるいは一部分を共同で行うこと。
 

協業スーパー

【co-operative supermarket】

中小の小売業者が集まり、大型店に対抗するために大型店舗をつくり、その店舗で共同して営業する形態をいう。この場合、法人組織をつくって共同経営までいくケースと、経営は独立したまま店舗だけを共同化するケースがある。
  狭告 対象を絞ってコンセプトを明確にした広告活動のこと。市場が多様化するにつれて、マス・メディアを基本とした、商品・サービスを広く世間に告知し購買意欲をそそる広告の効果は減少してきている。そこで、市場へのコミュニケーション活動は、訴求対象を絞り込み、訴求内容も特定の個人に訴えかけるかのごとき方策、つまり広告が狭告であることが必要だとされてきている。よりターゲットを絞ったメッセージのデリバリーが必要。
  共同一貫輸送 トラック、鉄道、船舶、航空機などの異種の輸送手段が、それぞれの特性を活かしながら共同・補完しあって連続的に輸送すること。梱包や包装における技術革新、コンテナリゼーション、バレチゼーションの進展によるユニット・ロード・システムの普及などにより、この共同一貫輸送は近年急速に進展してきている。アメリカでは、自動車と鉄道を結んだ輸送のことをピギー・パック方式と呼んでいる。
  共同広告 複数の広告主が、共同して広告することで、多様な形態がある。同一の業種に属する企業が共通の利益のために共同して行うタイアップ広告、全国的な広告主とその商品の販売業者とが垂直的関係で共同して広告を行うタイイン広告、商店街やショッピングセンターなど異業種の企業が共同事業の一環として行う連合広告などがある。
  共同購入 生鮮食品を中心に、食料品を近隣の数世帯がグループをつくって生活協同組合などから購入すること。低成長時代に入ってスーパーなどの小売店の低迷が続く中で、生協をはじめとする共同購入事業は2桁の伸びを示している。共同購入は、原則として市場を通さない産地直送方式であり、卵、牛乳、乳製品など200点以上が対象になっている。無添加商品に対する関心の高まりや食品の安全性確保のために、共同購入の気運は一層高まっており、これに対して産地も協力的で、食品流通のチャネルとしての存在を確立しつつある。
 

共同仕入

【co-operative buying】

複数の事業者(小売店など)が大量仕入の利点を享受するために共同して仕入を行うことをいう。その利点としては大量発注により数量割引の適用、低価格の仕入、信用が高まり支払条件が有利になること、流通経費が節約できることなどがあげられる。この反面、個別仕入のような即応性・機敏性がなく、小回りのきかない仕入方式でもある。特別な組織をつくらずに行なわれることもあるが、一般的には共同出資の仕入会社などの共同仕入機構を通して行なわれる。最近では、中小の小売店が大型店に対抗するための有力な仕入方法として評価されてきている。
  共同宅配 複数の業者が同一の宅配システムを利用して宅配すること。デパートなどが歳暮商品や中元商品を配達する場合に、従来はそれぞれ独自の宅配システムを使っていたが、次第に共同化の気運が高まって、共同宅配を実施する企業が増加してきた。その背景には、交通量の増大による交通渋滞や配達コストの高騰があり、その無駄を省き合理化してコスト低減をはかろうとするのが、共同宅配の目的である。
  共同店舗 消費者のワンストップ・ショッピングの要望を充足させるため、中小小売業者が集合して1つの大型店舗としての印象を消費者に与えるように、1つの建物内に共同してつくりあげた店舗。せいぜい2層で、時には顧客誘引力の強い有名店を誘致する例もある。商業高度化事業としての特典を受けることができる。
 

共同輸送

【co-operative transportation】

一つの輸送手段に複数の企業の商品を積載して輸送すること。自動車交通量が増大し交通渋滞がひどくなる一方、輸送費も上昇している。また、積載率の低いトラックの輸送効率を高めるためにも共同輸送が重要視されるようになった。その効果は、各企業の輸送コストを下げるだけでなく、社会的にみても交通事情の緩和、省エネルギーなどに貢献しているといえる。この共同輸送を効率的に運営するためには、貨物のユニット化、パレット規格化など輸送上のルールを設定し、荷主もそのルールを守るための努力と協力が必要であろう。
ギヨ 業種 主な取扱商品、営業種目にもとづいて小売業を分類する場合、これを業種による分類という。魚屋、菓子店、青果店、酒販店というように、商品のタテ割り的考えかたで区分された伝統的な分類。
 

業態

【format】

業種が取扱商品による区分、つまり商品(モノ)のタテ割り的考えかたで分類されているのに対し、業態は商品(モノ)の横割り的考えで区分した呼称。営業形態をさしている。百貨店、ゼネラル・マーチャンダイジング・ストア(GMS;量販店)、ディスカウンター、スペシャル・ストア(専門店)、ショッピング・センター、ハイパーマーケット、コンビネーション・ストア、スーパー・マーケット、コンビニエンス・ストアなど小売の営業業態(フォーマット)である。社会・経済動向、消費者購買慣習の変化、消費者欲求の変化、競争感泣の変化によって業態が衰退したり、新たな業態が誕生したりする。マクネアは業態変化を「小売の輪」理論として理論化した。
  業務需要 業務用に発生する需要のこと。必ずしも原材料のみに限らず、たとえ最終製品であっても、消費主体がその製品を業務用として用いる場合には、その需要は業務需要とみなされる。たとえば、文具需要で、一般家庭で使われる場合には家計需要となり、工場や商店の業務に使われる場合業務需要になる。