カナ | 用語 | 解説 |
ケイ |
経営管理 【business management】 | 経営者、管理者が担当する固有の機能。経営諸活動について、体系的統一性をもった計画的・組織的・統制的観点からの思考や技術。経営的生産活動の全分野にわたって行われる総合管理が基本。 |
| 経営情報システム 【management information system】 | 企業の経営・管理などの意思決定に必要な情報を収集・分析するためのシステムのこと。MISともいう。近年コンピュータ技術の進歩により、単なるデータベースとしての役割から、企業経営に必要な情報を正確・迅速、しかも効率的に供給することが可能となった。また、定量的な情報だけでなく、定性的な情報を含めたシステムを特にマーケティング情報システム(MKIS)と呼ぶ場合もある。今後は、経営の多角化に対応するための異業種情報の充実など、情報体系の拡大が求められてくる。特に刻々と変化する消費者購買行動を的確に把握するためにPOSシステムなどと連動して、迅速に対応することができるような仕組みを準備する必要がある。 |
| 経営の多角化 【diversification】 | 企業成長を考える場合の主要な戦略のひとつ。多角化には水平的多角化、垂直的多角化、斜行的多角化、などがある。水平的多角化は、既存製品で新市場を開拓したり新製品を既存市場に導入しようというもの。垂直的多角化は生産流通での統合ともいえるもので、部品メーカーが完成品市場へ乗り出したり、またメーカーが直営店、販売会社を経営したりする場合である。斜行的多角化は、既存製品・既存市場と関連はあるものの、それとはまったく異なった新製品・新市場を開発しようという場合をいう。 |
| 計画 【planning】 | 計画とは、あるべき目標を設定し、その目標を達成するための可能な手段を体系化し、その手段の遂行手順、時間(スケジュール)を明示化したもの。目標に到達するための方法と達成までの予定時間。 |
| 計画的陳腐化 【planned obsolescence】 | 機能的にはまだ十分な能力を発揮する商品について、デザインやファッション性、機能面で意図的に時代遅れにすること。供給サイドのマーケティング戦略として、新たに需要を喚起し市場を刺激することを意図している。このやりかたは消費者に浪費を強制するものだという一部の批判がみられるが、成熟市場では、需要の喚起・創造なしにはマーケティング活動は非常に沈滞したものになるので、消費者の生活水準の向上に寄与し、産業活動を活発にするための需要創造活動は、好ましいものとして評価しなければならない面もある。計画的陳腐化は、技術ないし機能面での陳腐化、遅れ意識醸成による陳腐化、意図された物理的陳腐化、スタイル面での陳腐化がある。 |
| 景気動向指数 | 国全体の景気の動きをつかむための統計。30項目の統計をもとに、不況から好況へ、好況から不況への動きをみるものである。景気の変化を事前にキャッチして変化する先行系列指数(新車登録台数、機械受注など12指数)、景気の転換点と同じ時期に変化する一致系列指数(生産指数、百貨店販売額など11指数)、景気変化の後追いをする遅行系列指数(製品在庫指数、家計消費支出など7指数)の3つに大別して観測する。販売計画をたてるために必要な情報のひとつである。この指数は毎月分が、2か月後に発表される。 |
| 傾向変動 【Secular Trend】 | 趨勢変動ともいう。景気や販売などの統計系列を時系列に並べ、大局的に、上昇の傾向にあるか、横這いの状態にあるか、あるいは下降の方向にあるのかといった統計系列の基本的底流をいう。 |
| 経済の暗黒大陸 | 流通業界のことで、これが経済活動の分野でもっとも後進的であるという場合に使われる表現である。ドラッカーが1962年の『フォーチェーン』誌の論文で「流通はアメリカのビジネスの中で、もっともおろそかにされながら、将来もっとも望み多い分野であり、しかもナポレオンと同時代の人々がアフリカ大陸の問題について知っていたのと同程度にしか、今の人々が流通の問題を知っていない」と指摘したことから、流通の分野が経済の暗黒大陸といわれるようになった。今日では流通についての研究や分析が非常に進歩しているが、流通が本来もっている複雑さのために、暗黒大陸を乱用する例も多い。 |
| 経済白書 | 国民一人ひとりが、国の経済をあたかも自分の家の家計を考えるかのようにつかんでおく必要があるというねらいのもとに、昭和22年に第一回の白書が作成された。白書の中でもっとも古いもので、毎年8月経済企画庁から発表される。経済白書は、多くの資料や統計を使っているばかりでなく、各種の推計式やモデル式を使って、予測や推計を試みている点も特色のひとつである。 |
| 経済成長 | 一定期間の経済の量的規模の拡大をいう。経済活動の成果である国民総生産は、世界の各国とも上昇傾向を示しているが、経済規模の成長を示す経済成長率で、対前年比の実質国民総生産の増加率をもってあらわす。 |
| 経済予測 | 景気予測ともいう。いいかえれば景気動向についての予測。 |
| 経常利益率 | 売上高に対する経常利益の比率。経常利益とは、営業利益に営業外損益を加算したものをいう。営業利益は、粗利益高から営業経費を差し引いた額。企業の事業活動全体の総合的成果を示す指標である。 |
| 計数管理 | 計数による経営管理のこと。カンや経験によって経営活動を行うのではなく、客観的な経営数字によって、科学的に行なおうとする考え方である。中小零細小売業ではいまだに商店主のカンに頼っている商売方式が多いが、環境変化に迅速に対応するためには、実態を計数的に把握するという計数管埋が重要である。マーケットは成熟化、競争激化の経営環境でムダを省き、少ない経費でより利益を上げていくためにはきめの細かい数値管理がますます重要になってくる。商品管理面でも部門別管理から単品管理へ、ダラーコントロール(金額管理)からユニット・コントロール(個数管理)へと転換していかなくてはならない。 |
| 景品付販売 【premium sales】 | 商品の販売を促進させるための一手段。消費が一段落した時期に活性化をはかり、その商品を再認識させるために用いられることが多い。景品としては日常よく使用する雑貨類などがある。「コーヒー一個お買上げの方にカップ一個進呈」などはその例である。また、新製品発表に際しサンプルを景品にして認知を促進させる場合もある。シャンプーにリンスのサンプルを添付するなど。 |
| 景品表示法 | 一般に「景表法」といわれているが、正しくは、「不当景品類及び不当表示防止法」という。昭和27年に制定された法律で、その目的は不当な景品類および表示による顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保して消費者の利益を保護することである。販売促進の手段である景品については、その行きすぎを防止するために、各景品の限度額や全景品の総額、種類、提供方法等について制限している。また表示については、一般消費者を誤認させるような誇大広告や欺瞞的広告、過大包装などが禁止されている。 |
| 契約 【contract】 | 二人以上の当事者が合意することによって権利義務の関係をつくりだす行為のこと。相対する意思表示の合致によって契約は成立するが、通常は申込みの意思表示と承諾の意思表示という形式となる。「民法」では、売買契約の他、贈与、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解の合計13種の契約を規定している。倉庫契約や運送契約は「商法」によりその型が定められているが、このように法律上の契約の型が定められているものを典型契約といい、定められていないものを不典型契約という。 |
| 契約店長制 | 新しい人事管理と、出店の2つを組み合わせた制度。出店費用を本社が負担し、独立してやる気と力のある社員を契約店長として店の経営を全面的に任せ、あがった利益を業績配分するという制度。直営店よりスピードのある出店ができ、フランチャイズ方式よりも、堅実な経営が可能だという経営上の利点がある。同時に、社員の待遇上の改善も、これを通じて実現していく方向が考えられている。 |
| 系列化 | 流通系列化。生産から流通、販売までの経路における自社製品の優位性を確保するための流通業者の組織化。多くは製造業者の主導によって行なわれ、家電メーカーや化粧品メーカーによる流通系列化がよく知られている。系列内業者は、原則として競合メーカー商品を取り扱うことはできず、代わりに、メーカーから経営資金や販売技術などさまざまな援助を受けることができる。流通系列化は大量生産=大量販売という高度成長期のマーケティング戦略として大きな役割を果たしたが、成熟市場においては、単一メーカー品という品揃えの限定性や専門量販店の進出による競合激化などから、政策自体のあり方や可能性の見直し期に入っている。 |
ケツ | 欠品 | 品切れのため、顧客の注文に応じられない商品をいう。欠品状態になると、売りそこなうという機会損失(売上機会ロス)をこうむるばかりでなく、店の信用や顧客の継続的愛顧心も失いかねないので、たえず安全で適正な在庫水準を保つ努力が必要である。 |
ケン | 健康食品 | 日本人の健康に対する関心は非常に強く、健康関連市場は成長市場としての期待が大きい。その中でも、もっとも成長が期待されている分野は健康食品である。健康食品にはまだ明確な商品基準はないが、狭義には、ビタミン剤などの栄養補助食品と、いわゆる医薬の領域に近い健康食品をさす。広義には、これに健康志向食品とでも呼ぶにふさわしい、自然食品、ダイエット食品、栄養素添加食品、スポーツ食品などを加えたものをさす。 |
| 懸賞付販売 | 景品付販売と違って、ダイレクトに景品が付くのではなく、クイズ・三角クジなど、ワンクッション置いて、当選が決まる懸賞をつけて販売すること。個々の商品についてなされる場合と、店全体、商店街など、たとえばレシート1000円で参加できるというように催事的に実施される場合がある。商品を認知させ、来店頻度を高め、販売を促進させるための一手段。賞品については、法律で金額制限がある。 |
| 検定 | 統計的検定あるいは仮説検定の略。調査によって発見された結果が、母集団つまり全体の情報として成り立つかどうかを判定するテスト。調査データにはサンプリング誤差が含まれているのがふつうであり、何らかの実データによってその結果を判定する必要がある。検定をパスしたとき、「有意である」とか「有意差がある」という。 |
ゲン | 現金仕入 | 現金決済による低価仕入であり、ディスカウント・ストアなど低価格を売り物にする小売業が、仕入値を抑えるためによく活用している。 |
| 現金問屋 | 現金持ち帰り制の卸売商のこと。一般に、問屋はせいぜいショールーム程度の店舗しかもたず、セールスマンの訪問によって注文をとり、配送するやりかたである。現金問屋は商品を陳列した店舗を構え、小売商に来店してもらい、買ったものも小売商に持ち帰らせ、支払いも現金がたてまえの商法をとっている。現金問屋は、人件費・配送費が大幅に節約でき貸倒れの危険が少ないので、効率的な経営が可能である。その一方、小売商業者を来店させなければならないので、一度に多くの問屋から買えるよう現金問屋街ができあがっている。東京の日本橋横山町、大阪の丼池がよく知られている。 |