カナ 用語 解説
ハイ 排除命令 独占禁止法が審判手続きを経た審決により排除措置などの処置をとらなければならないのに対し、景表法では簡単な聴聞を行っただけで、すぐその行為の差止めもしくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項を命ずることができる。これを排除命令という。
 

配送センター

【distribution center】

一定地域内の顧客に商品を配送するためのメーカーや卸売業、小売業の物流拠点。あらかじめ配送センターに商品を在庫保管しておき、本部からの伝票に基づいて、センターで届け先ごとに商品を仕分けして、商品が配送されることになる。小売業ではチェーン展開をしている量販店などで、物流の合理化と店頭在庫の軽減を目的として配送センターを設置している。
  排他条件付取引 力の強い優位者が正当な理由もないのに弱い立場にある相手に自己以外の事業者との取引をしないことを条件として行う取引のこと。このような条件は取引相手を選択する自由を制限することになるとともに、公正な競争を阻害することになり、不公正な取引方法のひとつとみられる場合がある。しかし、安定した取引関係を継続することは取引する企業にとっては好ましい場合もあり、必ずしも否定できないとする考え方もある。
  配達サービス 基本的には、購入客の買上品を配達することで、顧客サービスの主要なもののひとつである。百貨店、量販店、専門店で、贈答品を贈り主に代わって相手先に届けることもある。自店の商圏内は無料というケースが多い。たとえば都心の百貨店では、東京23区内・武蔵野市内・三鷹市内を無料エリアとしている。配達に経費がかかるのは当然だが、配達網の充実が購買を左右することから、多くの店では、無料としている。
  配達時間指定制度 百貨店が始めたもので、お蔵暮や中元などの商品を、相手のいる時間に配達する制度。「アポイント便」「ホリデー便」「ナイター便」など、各店が独自の名をつけ、顧客へのサービスとしており、休日や夜間など、在宅率の高い時間帯に配達している。この制度の発足には、贈答商品そのものは各店とも似通ったものであるところから、差別化政策のひとつとして実施するというはかに、近隣の家が配達されたものを預からなくなったという社会情勢も反映している。
  配置販売 標準的家庭で必要と思われる品物を、必要と思われる量だけセットにして置いておき、一定期間に消費した量だけの代金を支払うシステム。富山の薬売り商法で知られる販売方法であり、置き売りともいわれる。利用者からみれば、(1)いつでも必要な時に使えるという利便性、(2)使った量だけの代金ですむという経済性、のメリットがある。また販売側からは、(1)店舗が不用という小資本性、(2)消費者一人ひとりと応対できるという顧客密着性、のメリットがある。
  ハイテク商品 ハイテクノロジー(高度先端技術)を導入した新しい商品群。まったくの新商品というよりは、たとえば、衣料の場合には、新素材(ゴアテックスなど)を使った衣料、光学音響機器、玩具・ホビー用品、その他では、超LSIを組み込んだ高品質・高性能商品をさす場合が多い。
  ハイテク・ハイタッチ・
ハイキャッチ
「80年代の流通産業ビジョン」の中で、先端技術と人間的触れ合いの結合による流通産業を将来の姿として措いているコンセプト。ハイテクは、高度情報技術の活用のこと、ハイタッチは、人間的な触れ合いを求める消費者への対応、ハイキャッチは、消費者の潜在的ニーズの先取りを、それぞれ意味している。
 

ハイパー・マーケット

【hyper market】

ヨーロッパで急激な成長をみせた郊外型スーパー・マーケット(売り場面積2500平方メートル以上で食料品を主体とした商品構成、大規模な駐車場を備えている。わが国では、比較的大きな食料品売り場をもった量販店が多いので、このタイプの業態は大きく伸びないものと考えられている。
バイ

バイアス

【bias】

調査に起きるさまざまな偏りのこと。有意抽出法では、調査員が「親切そうな人」を対象者に選びやすいとか、郵送調査法では、調査テーマに関心のない人や筆無精の人が脱落しやすい、といったバイアスがある。そのほか、女性の年齢は低めに答えられやすい、借金や商店の売上も少なめに答えられやすい、商品の選択理由としてはデザインや価格よりも品質をあげがちである、といった回答内容についてのバイアスがある。調査実施にあたっては、このようなバイアスの発生を極力抑える必要があることは当然であるが、調査結果の活用においてもバイアスの存在する可能性を考慮しておく必要がある。
バイ

バイイング・パワー

【buying power】

チェーン・ストアが、巨大な販売力を背景にして、強い仕入力・購買力をもっていることをいう。この力は、商品を安定的に、かつ廉価に市場に供給でき、流通の合理化と消費者利益に貢献する。他方、公平な商取引から逸脱した範囲で取引先に圧力をかけ、取引における優越した地位の濫用をきたすおそれがある。もともと売り手と買い手との間には相反する利益関係があり、とくにチェーン・ストアのバランスあるバイイング・パワーの発揮が問われている。
 

売価政策

【price policy】

売り手が販売する商品またはサービスの売価を決定したり、加減、割引などする政策。売価決定には、コスト・プラス法(仕入原価に販売費・一般管理費・利益を加算する方法)、顧客の立場から価格を決定する方法がある。
 

媒体

【media】

広告物を消費者に伝達するために必要な媒介手段を総称していう。一般的には新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどのマス媒体と屋外広告、交通広告、POP、DM、ポスター、チラシ、映画、スライド広告などのミニ媒体に分類される。さらに、ニューメディアとして、CATVやビデオテックスなどが相次いで登場している。また特殊な媒体の開発も行なわれ、そのひとつにメベルティと呼ばれるものがある。これは、メディアとノベルティを合成した言葉で、ノベルティを広告手段として使うことをいう。広告効果は媒体の量と質によって左右される。複数の媒体を選んで広告するメディア・ミックスが、重視されている
  媒体ミックス 広告目的に添って、最大の広告効果を上げるための各種媒体の組み合わせをメディアミックスという。複合形式をつくる媒体戦略である。
 

バイヤー

【buyer】

小売商、卸売商の仕入れ担当者。バイヤーは、店の仕入れ政策にもとづいて、担当商品の仕入れ計画を立て、適切な商品を、適時に、適量、適切な仕入先から、適切な方法で仕入れを行う責任を有する。マーチャンダイザーの方針にもとづき、仕入品目の選定、仕入量・納品期日の決定、調達先(取引先)の決定し、一定の権限内で計画し、その計画を実行し、販売と利益の責任を担う。バイヤーは、売場経験をもち、担当する商品知識があり、マーケティング発想(トレンドの読み)ができ、数字に強く、倫理観をもっていることが必要とされる。
パイ パイロット・テスト 質問調査法において、質問票の良し悪しは調査結果を大きく左右する。質問票の作成にあたって、慎重な計画と最新の配慮を必要とする。パイロット・テストは、何回かのプリテストを重ねた後で、本調査に移る前に行われる最終的な質問票のテストである。質問票の可否を最終的に決定するために行われるが、ほかに、調査結果をあらかじめ想定し、集計計画を立案し、さらには調査報告書の筋書きを考えるためにも利用される。
ハウ

ハウス・オーガン

【house organ】

企業が従業員をはじめ、株主や取引先・消費者などから好意をもたれ、企業活動全般が円滑に進むことを狙いとしてつくる定期刊行物。社外に向けてのPR誌や従業員向けの社内報がその代表例である。今日ではこのハウス・オーガンヘの期待がより強まってきており、対象も有識者などのオピニオン・リーダー向け、優良小売店向け、一般小売店向け、そして特定消費者向けなどきめ細かく区分し、それぞれの対象特性に応じた内容を盛り込むよう工夫されている。販売促進ツールとしての重要性も高く、セールスマンと顧客との会話の糸口としても活用される。
パク

パーク・アンド・ライド

【park and ride】

通勤時に、駅まで自動車を運転してきて駅前の駐車場に自動車をおき、駅からは電車を利用すること。モータリゼーションの進展と大都市圏の拡大の結果であり、大都市圏郊外都市の駅前でよくみられる光景である。駐車場難から、パーク(駐車)ではなく奥さんが運転する自動車で駅まで送ってもらうキス・アンド・ライドといった形態もある。パーク・アンド・ライドが多くなると、駅前商店街への来街者数が減少したり交通混雑をまねいたり、商店街の地盤沈下の一要因となる。
ハケ 派遣店員 メーカーや問屋から小売店の店頭に販売要員として流遺された店員。派遣するメーカーや問屋からみれば、自社製品を優先的に販売でき、市場の動向も直接把握できるといったメリットがある。小売店からみれば、人件費の節約といった金銭的なメリットだけでなく、専門知識をもった店員がいるということで顧客サービスの向上にも結びつく。
バゲ

バーゲンセール

【bargain sale】

廉価販売のことで在庫を調整し、店頭で活気を出すために行う割安品の売出し。商品整理のために値下げするものと、催事のために格安品を仕入れて行う場合とがある。スポットとして各売場で行なったり全店の催事としたりするほか、特設会場を設けることもあり、決算セール、赤札市、創業祭など、セール名にも工夫が凝らされている。クリアランス・セールなどもバーゲンに含まれる。本来は需要喚起策のひとつであったが、最近では百貨店や専門店などもバーゲンセールの実施を恒例化させてきており、顧客もあらかじめ購入計画にバーゲンセールの利用を組み込んで普段の購入を控えるなど、需要喚起策としての効果はやや薄くなってきている。
  バーゲン・ハンター デパートや専門店などのバーゲンに狙いを絞り、バーゲン品だけを買うために来店する主婦層を中心とした顧客の呼称。バーゲンセールを併用する顧客とバーゲンセールのみで購入する顧客がいる。米国では、甘い実を摘む人たちの意味からチェリーピッカーとよんでいる。
バコ

バーコード

【bar code】

商品の価格や規格等をバー(棒線)によってコード化したもの。これを商品の包装や値札などにとりつけ、レザー光線を装備したPOSスキャナーでバーコードを読み取り、コンピュータファイル(価格マスタ)から価格を検索し(PLU:プライス・ルック・アップ)、レシートに印字する。日本の標準はJAN(Japanese Article Number)と呼称。JANの標準タイプは2.66p×3.73pの大きさで、13桁のバーによって表現されている。小さな商品のためには縮小タイプもある。
バザ

バザール

【bazaar】

元来はペルシャ語で、インドや中東諸国の活気ある市場のこと。転じて、雑多な商品を販売する小さな店を集合した常設市や、百貨店や自動車販売店などが行なっている活気のある演出をした大売出しのことをいう。
ハス 端数価格 スーパーなどの設定価格などによくみられるもので、98円とか990円のように切りのよい値段よりやや低い価格をつけること。消費者に安いという印象を与え、その商品の購入に結びつけようとするものである。しかし、このような価格政策のねらいはすでに消費者も十分知っており、端数価格によって購買を促進することはむずかしくなっている。
ハセ 派生需要 ある商品に需要が発生すると、それによって派生的に生じる需要のこと。原材料などの需要は主にこの派生需要である。つまり、最終消費財の需要が発生すると、そこで最終消費財生産者が原材料を発注することになる。原材料需要からみると、最終消費財需要が発生してはじめて需要が発生することになり、自らのカで需要を喚起することはできにくい立場におかれている。
パソ

パーソナリティ

【personality】

人格・個性・性格と同義で、特に個人の全体的な特性の総体をいう。アイゼンク(Eysenck H.J.)の関心はパーソナリティを科学的に研究することにあった。彼の定義によればパーソナリティとは、遺伝と環境によって決定される実際的あるいは潜在的な行動パターンの総評であって、環境に対する独自の行動様式を決定する組織体としている。鼓動パターンは認知、感情、意欲、身体の4つのセクターからなるといわれる。顧客の行動の背景に個人のパーソナリティが影響するので、どのような顧客層にどのように認知させ、意欲を引き出すかの研究が必要になる。
 

パーソナル・ギフト

【personal gift】

中元・歳暮・年賀などの旧来の贈答慣習に対して、個人による贈り物行為の表現。成人式、バレンタインデー、就職、進・入学、卒業、父の日、母の日、クリスマス、誕生日、結婚記念日(これらの記念日を米国マーケティングではマジック・モメントと呼称)など、主としてライフ・ステージ的なものを中心にしており、この習慣も定着してきている。パーソナル・ギフトは、コミュニケーションの手段として自分の気持をモノを通して相手に伝える行為であるから、あらゆる商品分野で着実に成長しており、その市場は大きく拡大している。
 

パーソナル・マーケティング

【personal marketing】

消費者一人ひとりに個別対応するマーケティング戦略。顧客データベースの整備による顧客管理、店頭での接客や苦情処理への対応など、ユーザや消費者一人ひとりへのキメ細かなコミュニケーションを中心としたマーケティング戦略であり、固定客づくりをめざしたものである。成熟市場では、不特定多数を対象としたマス・マーケティングが機能しにくくなっており、パーソナル・マーケティングがあらゆる分野でのマーケティング戦略として注目されるようになった。
パチ

パーチェイス・インデックス

【Purchase Index】

PI(Purchase Index)値とは、レジ通過客千人当たりの購買指数です。お客様の支持度といってよいでしょう。たとえば、牛乳を購入している顧客数が、千人中100人だったら、その牛乳のPI値は10%になります。つまり、来店客数の10%、10人に1人が牛乳を購入するということを意味する数値です。PI値が高いほど、購入客数が高い商品アイテムです。算式は、PI=(購買個数/客数)*1000で算出します。
ハツ

ハッピー・コール

【happy call】

販売員が顧客に対して働きかける販売促進活動のうち、顧客との結びつきを強めるために行う活動で、次のような事例についていう。(1)顧客への訪問活動のうち、「こんにちは」と顔を出して挨拶をし、それによって親近感を醸成する。したがって販売員は、積極的に顧客のところを巡回する必要がある。(2)電話によって、定期的に購入商品の利用状況を問い合わせる。信頼感を高めることに役立つ。(3)顧客の慶事(誕生日など)に、手紙を出す。フリークエント・ショッパー・プログラムを導入し、クラブカード発行している企業では、クラブ加入のお礼電話(サンキューコール)やサンキューレターを出している。
バツ

バック・マージン

【back margin】

リベートの一種で、メーカーや問屋が販売店に対し、すでに販売した商品の価格を販売前までさかのぼって下げ、その差額を販売店に支払うこと。販売促進のひとつとして使われたりすることが多い。
 

バックヤード

【backyard】

店舗のうち、売場に供さないスペースをいう。小売業においては商品倉庫やパッケージングをするスペースなどをいい、飲食店では厨房や材料置場などが該当する。原則的には、このバックヤードは収益を生まないスペースであり、できるだけ効率的に活用する必要がある。
  バッタ屋 通常の仕入ルート以外のルートから商品を仕入れ、ダンピング価格で販売する店をいう。扱い商品は多岐にわたるが、流通ルートがしっかりしているナショナル・ブランド品を扱うケースは少ない。
パツ

パッケージング

【packaging】

商品の包装のこと。マーケティング・ミックスのひとつとして重要な要素である。商品の保護と経済性、消費者に対する利便性の提供を考え、各種サイズをそろえたり、開けやすい、持ちやすい包装にしたりする。エコロジカル・マーケティングの観点から、包装材料の処分など、環境との適合といった面で、パッケージが企業の関心を集めているほか、昨今ではセルフ・セレクション化が進んでいるので、パッケージングが販売促進の手段のひとつとして消費者の注意を引き、購買意欲を喚起させる力をもつという認識が高くなっている。
ハド

ハードウェア

【hardware】

いわゆる金物。コンピュータのシステム全体を構成する機器の総称。コンピュータの利用技術などの無形なものを意味するソフトウェアに対し機器などの有形なものをさす。最近では、ハードウェアやソフトウェアということばはコンピュータと離れたところでもよく使われ、特に技術やノウハウなどをソフトと呼び、他の有形の機器をハードと呼んで区別している。たとえば、建物としての売場はハードであるが、接客技術や商品技術などの無形のものはソフトなどと区別されることも多い。
 

ハード・グッズ

【hard goods】

自動車や家庭電化製品などの耐久消費財をいう。これらの耐久消費財はモノ離れ現象と高普及を背景に、使用年数が長期化する傾向にあり、需要は買替需要が中心となっている。またハード・グッズの位置づけも、これまでのファミリー・ユースからパーソナル・ユース(個人の利用)に変化してきており、家電製品なども家電から個々人を対象としたいわば「個電」という発想の一切換えが行なわれ、ファッション志向もより強まっている。
パト

パート・タイマー

【part-timer】

正規の従業員ではなく、限られた時間あるいは曜日だけ勤務する従業員のこと。量販店などではすでにこのパート・タイマーが従業員の大半を占めており、重要な戦力となっている。店によっては、パート・タイマーにも責任を持たせてやる気を引き出しているケースもみられ、今後は、このパート・タイマー管理の動向が販売実績にも大きな影響を与えることになる。
パネ パネル調査 調査対象者を固定して、何度か実施する調査。調査を特定の時点だけでなく、時系列に行なって、調査内容をより深くしたい場合に有効な手法である。通常6ヶ月から数年間にわたって行なわれるケースが多く、同じ内容の項目について調べ、結果が時間とともにどう変化していったかがポイントになる。
パパ

パーパス

【purpose】

9Pのひとつで、マーケティング用語としては、どのような製品・商品や戦略で何を目指すのか、その方向性や企業としての意志を指す。業界でナンバーワンになるとか、そのナンバーワンとは売上高なのか、利益なのか、生産性なのか、品質なのか、目指したい方向や意志を検討し、明確にすること。
  パパママ・ストア 夫婦とその家族あるいはパート・タイマー1〜2名を使って経営している小規模の小売店、生業零細店のこと。わが国小売業の大半は、このパパママ・ストアであるが、最近ではコンビニエンス・ストアなどへの業態転換をはかる店もかなりみられるなど、近代化が進んでいる。
パフ

パフォーマンス

【performance】

9Pのひとつで、マーケティング用語としては、販売する製品・商品の性能・価値を意味する。他社製品と比較して自社製品・商品はどのような性能・価値をもっているか、その優位性で競合製品に勝てるか、顧客(市場)にどのように強調し、伝えるべきかを検討すること。
ハフ

ハフ・モデル

【Huff model】

米国のマーケティング学者D.ハフによって開発された計算式によって小売商圏を測定する考え方のひとつ。消費者の買物行動における店舗や商業中心地選択の確率は、店舗の品揃え量に比例し、居住地から店舗までの距離に反比例するという仮説にもとづいている。つまり、店舗面積が広ければ広いほど消費者がその店舗を選択する確率が高くなり、距離が遠くなるほどその確率は低下するというもの。この店舗選択の確率を計算し、一定水準以上の確率がある地区を地図上に線で結ぶと、当該店舗の商圏を描くことができる。ハフ・モデルは店舗販売を前提にした消費行動モデルであり、最近のように通信販売などの無店舗販売の比重が増加してくると、その適用には十分な配慮が必要となる。
パブ

パブリシティ

【publicity】

広報活動の一手法。その企業にとって有利な情報や新しい活動状況などを、各マスコミ関係に取り上げてもらうように働きかけること。たとえば、新製品の発売にあわせてそのものの特性やポリシー、価格などを写真つきで新聞社や雑誌社に送り、記事として取り上げアもらうような活動がある。広告とは違って無料であり、記事やニュース的な効果も大きい。商品ばかりでなく、新社屋落成、人事異動など、各種の話題が対象となる。
バラ

バラエティ・ストア

【variety store】

家庭用雑貨を中心に、消費頻度の高い非食品を幅広く揃えた小売業。大量仕入・大量販売というスーパー・マーケットの経営技術と、非食品中心というスーパー・ストアの商品構成をミックスした業態である。店舗規格は600平方メートルから1900平方メートルと小さい。この業態で著名なものは、米国のウールワースである。
バリ

バリュー・アデッド・
ネットワーク

【VAN】

欧米のEDIでは、企業間の直接ネットワーク接続は大手企業に限られており、中小の小売業・取引先はVANを経由して複数の相手とEDIを行っている。EDI・VANの会社として有名なのは、スターリング・コマース、GEIS、EDS、ハービンガー、プレメノスなどがある。
パレ

パレチゼーション

【paletization】

物品をパレット打積み、そのまま荷役・輸送・保管の物流を行うこと。工場から消費地まで、貨車やトラックなどの異種輸送手段においてもすべてパレットにより荷役・輸送することを一貫パレチゼーションという。ユニット・ロード・システムの代表例のひとつで、物流の合理化・効率化の主役であるが、パレットの規格化・標準化やプール制など、個別企業では解決できない課題もある。
  パレット 商品を一定単位にまとめてユニット化する台のこと。種類には平パレット、ボックス・パレット、ポスト・パレットがある。いずれもフォーク荷役を行うようにフォークリフトとの差し入れ口がついている。
  パレット・イン・コンテナ コンテナリゼーションは郵送面に大きな効率が得られ、パレチゼーションは荷役に大きな効率が得られる。したがって、倉庫内でパレット荷役を行い輸送する場合、そのパレット荷物をコンテナの中にパレットごと格納するシステムが開発されている。これがパレット・イン・コンテナである。
ハロ ハロー効果 後光効果とも威光効果とも訳されている。人や物の印象、評価が、全体にまで及ぼされることをいう。よい効果の場合に使うことが多い。広告用語として使用されているが、消費者の商品評価におけるハロー効果の余地が大きいと考えられている。包装、デザイン、広告技術、企業イメージなどが重視される理由も個々から生じている。マーケティング戦略においては、このハロー効果に十分な注意を払うことが必要である。
ハン ハンガー・システム 繊維2次製品農地紳士服、婦人子供服のユニット・ロード・システムとしてハンガー・システムが知られている。商品をハンガーにつるし、そのまま台車につり下げて台車ごと荷役、輸送し、保管はレールにハンガーごと吊して行うシステム。陳列もハンガーごと。
 

ハンガー・ディスプレイ

【hanger display】

販売で用いる場合には、衣料品の店頭・店内陳列に多く、売場や壁面を利用して消費者が手を触れたり試著したりしやすいようにハンガーにかけておく陳列の方法。一方、広告用語としても用いられ、店内で天井からつり下げて、目に止まるようにした什器類の呼称。
  販売員業績評価 販売員の業績は3つのポイントから評価されなければならない。第1は販売の実現額、第2は代金の回収率、第3は経費の使用率である。小売業では、売上高・粗利益高などの予算達成率、自己目標に対する達成率などによって業績評価するところが多い。自己評価、上司評価から評価が決定される。
  販売員管理 販売計画にそって販売員を指揮、監督するためのすべての管理業務をさす。具体的には、販売員の募集から始まって、その教育訓練、動機づけ、販売目標の設定、販売割当、そしてその円滑な進行のための管理、監督などのすべてを含む。
  販売員教育 販売力を強化するために、販売員に対して実施する教育や訓練のこと。人件費が高くなり、販売競争が激化してきていることから、少数精鋭を目標とした販売員の質の向上のための教育に多くの企業が力を入れるようになった。方法としては、日常の業務を通じて教育するOJTと、業務から離れてプログラムによって教育するOFF-JTの2つに分けられ、自己啓発、会議、講演、学校派遣、ビジネス・ゲームなど、多様な方法が開発されている。
  販売委員登録制 主として、訪問販売での顧客とのトラブルを避け、信用を向上させるために販売員を試験し、一定の基準に合格した販売員に登録証を発行する制度。一部の悪質で強引な販売員によって、消費者の反発を招きがちな訪販業界が、業界正常化対策の一環として打ち出したものであるが、定着するのはこれからの課題である。
  販売員報告書 販売員の販売活動の内容を報告させるためのものである。その目的は、(1)販売目標に沿って活動しているかどうかをチェックし、(2)市場やライバル企業の動向、顧客の反応など市場の生の情報を入手し、(3)販売活動上の問題点を発見し今後の販売員教育に役立て、(4)販売員の業績評価のための、基礎資料として活用するためである。
 

販売エリア

【sales area】

セールスマンが担当する販売地域をいう。これまでは、単に地図上の広さなどを基準に販売員ごとに販売エリアを設定するケースが多かった。しかし多くの商品が高水準に普及している今日の市場環境においては、その地域住民の暮らしぶりを事前に調査し、その地域特性に最もふさわしい販売方法をとる必要があり、販売エリアも単なる地図の上での広がりから、エリア自体の特性を把握することが重要となってきている。商圏と呼ぶこともある。
  販売会議 販売店の経営者・管理者あるいは販売員を招集し、優秀販売店(員)の表彰や教育あるいは販売方針などの周知徹底を狙いとして開催される会議。一般的には、販売コンテストなどを事前に実施して、その総括と表彰のために開催される場合や、新製品発表やその広告キャンペーン概要の説明などのために開催されることが多い。規模的には全体販売会議とブロック会議の2つのケースに分かれるが、販売コンテストなどの表彰の場合は全体会議、新製品発表などではブロック別会議が適当である。
  販売会社 メーカーが自社製品の流通を円滑化し、流通政策を徹底させる目的で出資・設立したメーカー資本系列の卸売流通企業。販売店援助だけでなく、配送、販売促進、アフター・サービスなど販売に関するいっさいのマーケティング活動を統括する。形態としては、地区別に販売会社を設立するケースと、商品別販売会社、あるいはメーカーの営業部的機能を果たす販売会社もある。
 

販売管理

【sales management】

販売員の活動に関する計画、組織、統制である。販売を科学的に分析して効率よく行うため、企業全体の販売活動を計画、指揮、統制すること。内容としては、販売計画の作成、販売組織づくり、マーケティング・リサーチ、セールスマン管理、販売促進・宣伝活動、販売目標と戦略の決定、などがある。
  販売計画 マーケティング計画のなかの、中心的な個別計画のひとつであって、一定期間の製品別、支店別、地域別、取引先別、セールスマン別の売上高目標を定める作業、およびその作業結果としての売上高目標の体系である。小売業では、販売予測によって可能性を検討し、指標としての売上高を出し、その数値に、経営面からの要請を加味して、調整・修正したうえで販売目標数、または販売金額、利益額を販売予算として決定する。経営面からは、必要経費や、目的利益を達成することや、投下資本の回収、あるいは一人当たりの販売効率などから総合的に判断する。販売は企業のマーケティング活動の中心をなすものであるから、販売計画にもとづいて、販売目標高を達成するための諸計画が策定され、事業計画の基本となるものである。
  販売効率 経営資源である人、物、金が販売活動にどれだけ有効に効率よく機能しているかを測定すること。通常は売上高を基準にして測定し、人の効率をみる場合はセールスマン1人当たりの売上高、物の効率では売場面積1坪当たりの売上高、金では販売促進費に対する売上高比率などの指標を算出する。企業経営の実力がどの程度上昇しているかは経営効率で図ることができる。
 

販売コスト

【sales cost】

販売に要する費用のこと。人件費、一般管理費(家賃、事務機器の償却費など)、宣伝・販促費、直接販売費、物流費(荷造り費、発送費、倉庫保管料など)などが含まれ、原価の一部として商品の価格体系を構成する。
  販売五大用語 「いらっしゃいませ」「毎度ありがとうございます」「少々お待ちください」「お待たせしました」「ありがとうございました」の販売時の基本的な接客用語のこと。販売時には、販売員の言葉が顧客の購入態度に大きな影響を与えるので、基本用語をはじめとして、客が購入しようかどうか迷っている際の決心をつけさせる言葉などについて、十分に習熟する必要がある。
  販売士 小売業に従事する人々を対象として、日本商工会議所と全国商工会連合会が通産省、中小企業庁などの後援を得て昭和48年(1973)につくった準公的資格。その目的は小売業に従事する人々の資質の向上と自己啓発をはかるとともに、消費者サービスのレベルを高めることにある。流通業の中には、販売士の資格取得を義務づけたり、給与体系に組込んだりしている企業も多く、販売専門職の資格として、定着してきている。
  販売指標 販売生産性を示すものであり、販売活動に投入された販売員(店)が売上という成果をどれだけ達成したかを示す指標。販売員1人当たりの売上高、同利益高、同成約率などが基本指標となる。販売指標は販売効率を示すだけでなく、販売目標などを設定する際の重要な基準ともなるものである。
  販売情報システム マーケティング情報システムの中のひとつで、特に日常業務的、定型的な情報システムである。販売情報システムは、受注処理、発注・在庫管理、販売計画・販売管理、セールスマンの販売活動、などの諸業務面で必要とされる各種情報の収集、処理、提供の仕組みである。
  販売生産性 販売活動の効率を示すものであるとともに、販売活動の標準化あるいは目標値となるものである。これまで生産工程における生産性と比べて、販売生産性の研究は遅れがちであった。しかし、販売の時代といわれる今日の市場環境では、この販売生産性の向上なくして企業の生産性向上はあり得ない状況におかれている。販売生産性を示す指標としては、施設生産性を示す売場面積、1平方メートル当たり販売高、労働生産性を示す従業員1人当たりの販売高などがある。
 

販売促進

【sales promotion】

広義には製品あるいはサービスの意義、用途、効用、購入者にもたらす生活革新効果、あるいはそれらの製品もしくはサービスを供給する自企業自体の理念、方針、設備力、技術力、管理力、などをめぐり、適切な知識・情報を市場へ送り込み、最終需要の喚起を刺激するマーケティング活動を意味する。この広義の販売促進は、製品計画、販売経路政策、価格戦略が含まれる。狭義の販売促進は、陳列、見本市展示会、実演販売、販売店援助、その一貫としての伝導販売員派遣、消費者教育、消費者組織化、プレミアム販売の行為を意味する。小売業では、人的販売、広告宣伝、ウィンドウならびに店内陳列装飾などのほか、特売、特別招待下位、連合売出しなど一連の需要喚起、売上促進策を指す。
  販売組織 企業の販売諸活動を効果的に遂行するための経営内の1組織のこと。これまでの販売組織の中心的課題は、商品を販売するという販売活動のみとされていた傾向が強かった。しかし最近では、市場全体を管理するマーケティング管理組織としての役割が強まってきている。販売組織の形態は、業種、業態、経営規模などによって異なるが、大別すると機能別販売組織、製品別販売組織、顧客別販売組織、地域別販売組織、そしてこれらをミックスした販売組織などがある。
  販売代行業 商品の広告、販売、回収までを一括して代行する企業。店頭では、売れ筋商品を中心に販売が行なわれてしまうことが多いため、新商品を開発しても販売チャネルをもつことができない中小メーカーに多く利用されている。
  販売店援助 ディーラー・ヘルプス(dealer-helps)ともいわれる。メーカーや問屋が自社製品の販売促進のため販売店に対し、人的な援助、物的な援助、資金的な援助、情報面での援助などをすること。人的な援助では店員の派遣や店頭でのデモンストレーション、物的な援助では陳列資材やPOP資材の提供、資金的な援助では店舗改装費の一部負担、情報面での援助では市場動向や経営情報の提供などがある。
  販売統計 販売統計とは、企業が継続的に商品を製造しあるいは仕入をして、これらを販売していく過程のさまざまな姿を数量的に記述したもの。個々の販売ではなく、全体としての総計としての販売高をつかむほか、これを構成するものとして、商品別種類別・販売時期別・地域別・得意先別・担当員別販売高を明らかにする目的でなされる。
  販売日報 セールスマンが1日のセールス活動の内容とその成果を記載して会社に提出する報告書。セールスマンを管理する資料であるとともに、セールスマン自身が自分のセールス活動を点検・反省する資料ともなる。そのため、結果だけの記載ではなく、朝のうちにその日のセールス予定をあらかじめ記入し、帰社してセールス結果を整理しながら、予定通りできなかった場合にその原因や反省なども記載するようにすることが望ましい。
  販売費 商品の販売に関連して発生する費用で、販売員の給料、広告費、荷造発送費、配達費、保管費などが含まれる。
  販売目標 全社的に策定した販売計画を、商品部門別、支店営業所別、テリトリー別、担当セールスマン別、店別など、営業部門単位ごとに設定した目標のこと。これら営業部門の活動によって販売計画が達成されるのであり、マーケティング・マップ手法などの科学的な方法によって営業部門や担当者に設定した目標を納得・了承させなければならない。
  販売予算 特定の期間(通常は1営業会計年度)の売上日標を達成するための売上高とそれに伴う販売経費を金額ベースで一覧したもの。販売予算は各事業部門別で作成されることになるが、単なる金額表示だけではなく、具体的な販売活動などの裏づけが前提となっている。販売計画を参照。
  販売予測 販売予測とは、将来のある一定期間において、自社の商品がどれだけ売れるかを予測することである。販売予測はその予測する期間によって、短期販売予測(1年以内)と長期販売予測(1年以上)に分かれる。一般には、過去の販売実績などの企業内情報や、消費動向、競合の変化など、企業外情報をそれぞれ分析したうえで行なわれる。過去の販売実績から、その傾向をつかんだうえで、トレンド上に販売予測をし、それを他の要因によって修正する方法である。情報技術の発達により、容易に販売予測が可能な統計手法を備えたデータ・マイニングツールがでている。
  販売割当 個々の販売員、セールス・チーム、営業所、テリトリー(販売地域)、製品などのような、販売単位別に設定した販売量のこと。ノルマとか、業界によってはクオーターとも呼んでいる。販売割当によって、販売員の販売意欲を高めたり、またその達成度など給与に反映させたりする。販売割当は、販売金額、販売数量、荒利益、新規顧客開拓数などで表わされる。販売の効率化、企業全体の販売目標達成の上から、販売目標の設定はきわめて重要な作業である。
  頒布会 食器類などセット商品を、会費制によって1種類ずつ届ける販売方法。通信販売の伝統的な方法。買い手にとっては、月々、比較的少額の支払いでいつのまにかセット商品が揃うところが受けている。これが転じて、食料品を毎月届ける頒布会が普及してきている。顧客にとってはいちいち注文をしなくてもよく、しかも1ヶ月分無料などの特典が得られる。
  判別分析 消費者などを2つないし3つのグループに分ける時の基準となる要因を数学的に発見し、その影響度を測定する多変量解析法のひとつ。学歴や職業といった数量的に表わすことのできない質的要因を使って判別できるところに特徴がある。たとえば、ある耐久消費材の需要層を「購買希望層」と「非購買層」に区分する時、所得や学歴・職業・住居形態などまったく異なる複数の要因をひとつの総合判定基準によって整理し、それぞれの要因の影響力を数学的に示して判別することができる。
  反復購入モデル 多くの非耐久消費財は、消費者あるいは事業所によって繰り返し購入されるものとであり、したがって、非耐久財のメーカーあるいは販売業者は、自社の製品の当初試用率のみならず、その反復購入率を重視する。反復購入モデルとは、この反復購入を分析し、予測するためのモデル。