データベース・マーケティング理論を進化させた本。米国データベース・マーケティング大会(DMA)やナショナル・センター・データベース・マーケティング(NCDM)年次大会に参加し、それらの資料をもとに体系的にデータベース・マーケティングについて解説した。韓国、台湾で翻訳された。

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トム・ピーターズの『経営革命』での指摘(P15)
セミナーを終わって会社に戻ったら、ぜひ一つ、机の上の未決書類箱の中身を調べてみて下さい。一体何件の書類、何ページの文書が、社内問題を取り扱った書類であるか、それを調べてみて下さい。果たしてどれだけの文書が顧客の問題を、たとえば、顧客調査の結果とか顧客の苦情とか顧客からの手紙とか、そういうものを取り上げてみて下さい。いったい、顧客問題を扱った書類が全体の何割あるでしょうか?ピーターズは「顧客に耳を傾けよ」と主張している。
マイケル・カミの「月曜の朝すぐやるべきこと」(P17)
コンピュータの進歩で広範な顧客データをデータベース化することが経済的にも実現可能になった。個々の顧客、あるいは顧客階層ごとの、過去の取引の完全な記録、注文傾向、あるいは好き嫌い、人間の性格にいたるまでのデータを集め、日々更新し、注意深く評価すべきである。
10年間単位で見るマーケティングの変化(P19)

1960年代:マス・マーケティングの時代
1970年代:ターゲット・マーケティングの時代
1980年代:ニッチ・マーケティングの時代
1990年代:ワン・トゥ・ワン・マーケティングの時代

60年代、広告やテレビの影響が猛威をふるいはじめた10年間。マリリン・モンロー、スーパーマン、ビートルズ旋風がテレビに登場。1973年10月に起こった第一次石油危機から時代の流れが変わってきた。

クラリタス社のライフスタイル・タイポロジー(P26)
個人別のライフスタイルではなく、住居(郵便番号)単位にライフスタイルを命名した分析。40のライフスタイルに分類している。
優良企業ブルース、若手郊外居住者、カントリーライフ、新たなスタート、新進田園移住者、南部の貧しい小作人、神の恵みの豊かな地域居住者、名門階級、財産&ブレーン、都市高級住宅愛好家、ボヘミアン、老人パワー、子育てブルーカラー、新人種るつぼ、市民&大学関係者、平均的アメリカ人、昔ながらのヤンキー街、一人暮らしブルース、ディキシー風ダウンタウン、ヒスパニック・ミックスなど。
マーケット、消費者価値観は「どこからどこへ」(P41)
1. 名もない客から名も心もある客へ
2. ローラー作戦からニッチ作戦へ
3. 一方通行から顧客対話創造へ
4. 爆撃からリレーションシップへ
5. マスからダイレクトへ
6. 受動から参加型経営へ
7. ユニーク・プロモーションからエクストラ・バリュー・マーケティングへ
8. シングル・チャネルからマルチ・チャネルへ
ライフタイム・バリュー(データベース・マーケティングの最大目的)(P62)
簡単に言えば、顧客が一生に消費する金額。商品別でいう場合もある。たとえば、0歳から5歳まで赤ちゃんは25足のベビー靴を消費する。したがって、その赤ちゃんのベビー靴のライフタイム・バリューは25足である。
顧客離反率を下げれば高収益企業になれる(P80)
フレデリック・F・ライクヘルドが発表した有名な法則。

ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス、1990年11-12月号に「サービス業のZD運動」、1993年3-4月号に「2つのロイヤルティーがつくる好循環経営」に掲載された論文から本書で紹介。新規顧客を1人増やすのに平均5ドルかかる。クレジット会社で顧客1人当たり利益は1年目30ドル、2年目42ドル、5年目55ドル。1年目で離反してしまうと利益は小さくなる。
データベース・マーケティングを展開する4つの戒律(P88)
1. あなたの顧客をしっかり認識すること
2. ビジネスを引き立てている顧客についてより多く学習すること
3. 顧客1人のメッセージを調整すること
4. 顧客のロイヤルティーを深めること
データベース・マーケティングを実施している米国企業の紹介
シーグラム、レイノルズ、フィリップ・モリス、フォードカンパニー、オースティン・ローバー、マリオット、ボストン銀行、シティコープ、シアーズ・ローバック、ボンズ・スーパーマーケットなど紹介。
データベース・マーケティングの展開方法(P116)

ステップ1 マーケットを分析すること
ステップ2 目標を設定すること
ステップ3 マーケット戦略を公式化すること
ステップ4 実行を繰り返すこと
ステップ5 実行結果を評価測定すること

P126にデータベース・マーケティング展開のポイント10項目を提示。コンピュータ化、リレーショナル・データベース化、リアルタイム化、顧客識別化、長期リレーションシップ、予測モデル化、ライトピープル・ライトタイム・ライトメッセージ化、コスト・パフォーマンス化など。

 
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